庭園デザイナー・石原和幸氏インタビュー
千の季節がめぐる「千里千庭」の魅力を語る


千里ニュータウンに大規模新築分譲マンション「ファインシティ千里津雲台」が誕生した。

阪急千里線・大阪モノレール線「山田」駅から徒歩1分。エントランスに「千里千庭」をコンセプトとする庭園を造成した”駅前庭園邸宅”に、千里の原風景がよみがえる。庭園デザインを手がけたのは、世界で最も権威のあるガーデニングの祭典、英国「チェルシーフラワーショー」で5年連続ゴールドメダルを獲得し、さらに全出展作品の中で主催者が一番に選んだプレジデントアワードのダブル受賞を果たした石原和幸氏。世界一の庭師に、千里千庭の魅力についてうかがった。

Q.まずはチェルシーフラワーショーでの5年連続ゴールドメダル、おめでとうございます。
ありがとうございます。今回出展した庭は「千里千庭」をコンセプトにしたガレージガーデンです。3段の滝に紅葉やアヤメをかぶらせて、奥行きのある広い景色を作りました。緑や赤の植栽に2万個のコケ、生きているような曲げ木の手すりがある螺旋階段、ウォーターカーテンの向こうに見える古いミニクーパー。狭い都会の生活では、駐車スペースを作るには庭を諦めないといけませんが、この庭は、自然と都会の生活が融合した秘密基地のような空間です。
石原さん7 日本に来た外国人はよく、はっきりと移り変わる季節と、四季折々の自然に驚きます。特に北欧などの寒い国では植物の種類が少ないのですが、日本は季節ごとに桜や紅葉など様々な種類の植物があって、緑の濃淡もはっきりしています。僕は、その自然をそのまま庭にしています。お金をかけた庭ではなく、ただ植物の力があるだけですが、そこがイギリスで認められたのだと思います。外国の方は紅葉やあやめや松などは見たことがないはずなんですが、僕の庭を見て不思議と「懐かしい」と言います。皆さんがすてきだと思う庭は、昔、田んぼでメダカをとっていた頃の思い出を、ふと思い出させてくれるような景色なのではないでしょうか。
石原さん2 石原さん4 僕の庭にはコケをたくさん植えますが、実はイギリスではコケは雑草扱いで、嫌われているんです。でもそれは、本当に美しいコケを見たことがないからです。新しい発想を植え付けたいと、2007年に出展したときは「コケの家」を作ってみました。それがタイムズ紙でクローズアップされて、イギリスのエリザベス女王も美しいコケに興味津々でした。その年から私は「モスマン(コケ男)」と呼ばれるようになりました(笑)。
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Q.「千里千庭」のコンセプトについて教えてください。
365日、朝昼晩がめぐるごとに移り変わる千通りの季節、千の自然を楽しんでほしい、という意味の「千里千庭」。森を切り取ったような、そのままの自然をエントランスに持ってきました。多種多様な植物を植えて、赤や緑の濃淡を表現しています。たくさんの種類の鳥も飛んでくるでしょう。メジロ、うぐいす、ヒヨドリ、シジュウカラ…それに蛍も。この自然を、エントランスを歩く間に楽しめるはずです。その日その日の季節を感じながら、自然がどれほど美しいかを千里千庭で思い出してほしいですね。

Q.千里千庭が、そこに住む人にもたらすものは何ですか?
約1,000名の人たちがそこに住むことになるので、そこに素敵な庭があることで「今日もあのメジロが来てますね」とか「桜が咲きましたね」とか、何気ない会話が弾むでしょう。一つのマンションが、一つの家族になれたらと思います。
庭は、作ったときがスタート。自然は時々刻々と変化していきます。朝、葉っぱが出た紅葉が昼過ぎになると一気に葉を出していて、驚かされることもあります。その淡い葉を通して移りゆく空や日の光が見える。こうした自然の移り変わりに感動する心を持てることが、最大の贅沢です。自然そのものが自分の家にいつもあることで、人生そのものが変わると思いますよ。
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Q.石原さんにとっての庭とは?
今は、インターネットや携帯電話でどこにいても誰かとつながれる時代です。それに、飛行機や新幹線のおかげで、あっという間に遠くの地にも着ける。しかし便利な反面、人間は機械ではないから、プライベートの時間や場所が少なくなって気持ちにギャップが生まれます。そのギャップを埋めるのが自然ではないでしょうか。モノは、買っても買ってもキリがない。欲に終わりがないんです。でも、自然への欲は感動に変わります。美しい自然を見たら人に教えたくなるし、笑顔が人から人へと伝染していく。テロや難民問題や食糧危機など世界では常に大変なことが起きていますが、その中でふと、プライベートの時間を幸せに思える、それが庭の力だと思います。
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Q.千里千庭をもっと楽しむコツを教えてください
千里に住む人はもともと自然好きな人が多いと思います。ですから、外だけでなく家の中でも自然を感じてもらいたいですね。部屋に植木鉢を飾るとか。でも、1鉢だけ飾るとモノとして忘れられてしまって、最後には枯れてしまいます。飾るときは3鉢、好きな植物を飾るといいですよ。そうすると、一つがしおれてきたとき、他の2鉢があるので「水をやらないといけないな」と気になってくるんです。それから、服を選ぶ時のように、花選びも色をコーディネートしてみてください。フリージアの紫にちょっと緑をそえてみたり。鉢はわざわざ買わなくても、ジュースを飲んだ後のビンでも、草やツルで巻くだけでオシャレです。人生がたった500円で贅沢になりますよ。

石原先生が作った「千里千庭」コンセプトガーデンがファインシティ千里津雲台マンションギャラリーで見ることができます。
作品の見学だけでももちろん構いません。「シティライフを見た」と言っていただければ、スムーズにご案内いたします。

ファインシティ千里津雲台HP ⇒ http://www.senri100.jp/index.html


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シティライフ編集部
北摂・阪神の地域情報紙『シティライフ』の編集部です。 市民記者の皆様と一緒に、地域密着の情報をお届けします。

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