2016年度 全国学力調査の結果発表 大阪は小・中ともに全国平均以下


2016年度の全国学力・学習状況調査の結果が9月に発表され、大阪府の小・中学生の学力は、全教科で全国平均を下回る結果であることが分かった。学校や家庭での学習習慣を問う学習状況調査においても、全体平均を下回るものもあり、依然として学力向上への課題は多い。

【改善傾向にあるものの 依然全国との差は大きい】
 中学生の学力において昨年度は一時的に急伸したが、一因は大阪府が学力調査結果を高校入試の内申書の評価に反映させたため生徒たちの学習意欲が向上。学力調査は指導改善を目的としていることから文科省が待ったをかけ、入試への活用は中止、今年度は特に国語Bで全国平均との差が開いた。
 小学校でも全国平均を下回り、学習状況調査では「授業の中で話し合う活動を行ったか」という設問に対し「よく行った」という解答が学校側の53.6%に対し児童では45.2%にとどまり、両者の意識にずれも見られる。
 ただ、学力調査が始まった2007年から比べると全体的に改善傾向にある。大阪府教育庁(府教育庁)では、各市町村が学校と連携し、基礎学習の反復や学習規律の維持・徹底などの取り組みを進めてきた結果と見ている。

【学力低調の理由は?学校と家庭の両面】
 府教育庁は、2007年当時から授業の様子や学習環境などについて、全国平均との差が大きい項目があったと答えている。また、就寝時間やスマートフォンの使用時間など、生活習慣と学力に関係があることも国は示している。
 大阪大学大学院人間科学研究科の志水教授は、家庭の社会的な階層格差と学力との関係について指摘する。家庭の経済力を示す「経済資本」、教育環境を示す「文化資本」、人間関係を示す「社会関係資本」といった要素が高いほど、子どもの学習意欲が高い傾向にあるという。
 「大阪府では依然として失業率が高く、経済資本や文化資本が低い家庭が多い。これが学力低調の原因の一つになっていて、格差は都市部になるほど広がっています。北摂地域は3つの資本が比較的高いので、大阪府のなかでも学力は高めです」。また学力は、古くからの地域産業にも影響されるという。「第一次産業(農業、林業、漁業)が栄えている地域では、学力に重きを置かない風潮があります。これは昔から商業や製造業がさかんな大阪にもある程度当てはまります」と志水教授。さらに、大人自身が都市型の生活になってしまっていることも子どもの学力に影響しているという。

【学力向上のための、今後の改善策は】
 大阪府では、市町村と連携をとりながら学習意識の改善と取り組みを続けている。その一つが、中学生を対象に2014年から毎年実施している「チャレンジテスト」だ。授業の理解度を測るとともに、個々の強みや弱みを明らかにする目的がある。各学校はその結果を分析し、苦手を克服する取り組みで学力の底上げを計っている。また、2013年からは毎年84校を指定し、中学校への訪問支援を行っている。府と市町村の担当者が、授業の視察や学校の学習計画・結果のヒアリングしアドバイスするなど改善への指導を直接行っている。
 一方で志水教授は、家庭学習の大切さを説く。大阪府の通塾率は全国平均を大きく上回っており、学力改善に一定の効果は現れているものの、「塾に行けばそれでいいというわけではない」と指摘。学力が上位にある秋田県では三世代同居をする世帯が多い。大人の手厚いネットワークが子どもを見守り、大人の後ろ姿を見ながら育つので、学習意欲が芽生えやすいという。「勉強しなさい、だけではなく、親自らが勉強会や習い事に出かけるなど、学ぶ姿を見せることで子どもも学びに前向きになります」と話す。


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