兵庫県の人口流出 魅力ある施策で歯止め


 少子高齢化が進み、全国的な人口減少が問題となる中、兵庫県の人口も減少の一途をたどっており、他府県への転出数が転入数を上回る「転出超過」も続いている。その傾向に歯止めをかけようと、県はさまざまな施策を打ち出して魅力をアピール。2016年の転出超過は若干、持ち直した。

【2016年の転出超過数は6,760人】
 兵庫県の人口は、戦後の約300万人から増加を続け、1976年には約5 0 0 万人を超えた。1995年の阪神・淡路大震災の影響により一時は落ち込んだものの、その後回復を遂げ、2009年は560万人に達する。しかし、この年をピークに人口は減少に転じ、2016年の推計では約552万人となった。2016年に総務省が発表した人口移動報告によると、兵庫県の転出超過数(転出が転入を上回った数)は北海道、熊本県に次いで全国でワースト3の6,760人。流出先トップは東京4,606人で、次いで大阪2,069人となっている。

【神戸・阪神間は転入超過も】
 宝塚市、西宮市、明石市は人口減少幅が小さく、転入数が転出数を上回っている。交通の便の良さや子育てしやすい環境が人を呼び込んでいるようだ。特に明石市では子育て施策に力を入れているため、ファミリー層の流入が増えているという。しかし、但馬や丹波、淡路などの農村地域では人口流出が続いている。また、これまで転入先として人気の高かった神戸・阪神間でも、中央区や灘区など一部を除いて転入数は徐々に減りつつあり、転出超過の傾向が見られる。

【大阪への流出も増】
 人口の減少は、少子高齢化の進行による全国的な問題でもあり、死亡数が出生数を上回る自然減少が要因の一つとして考えられる。しかしそれだけではない。兵庫県では、転出数が毎年ほぼ横ばいであるにも関わらず、転入数が年々減少している。そのため、結果的に転出超過に陥っていることが人口減少の一因となっているようだ。東京圏への転出は以前から多く、転出数は毎年約2万3千人ほどだが、2011年からは大阪への転出超過が目立つ。
 県の転出数のうち、20代が半数以上を占めており、県内の大学を卒業した後、東京や大阪など県外で就職するケースが多いことが浮き彫りとなっている。加えて、大阪で大型商業施設のオープンが相次いでいるため、兵庫県に比べてサービス業の求人の割合が高く、雇用機会を求める20代女性の転出超過拡大に繋がっているという。
 出産・子育て世代の減少は、人口減少をますます加速させる。人口の地域偏在が拡大し、コミュニティを維持できなくなる地域が増加するとともに、経済・社会の担い手不足や、超高齢化による介護・医療人材の不足、社会保障制度への現役世代の負担増を招くとして、県は危機感を強めている。

【地域創生事業で人と企業を兵庫県に】
 全国的な人口減少に歯止めをかけようと、2014年には国をあげて「地方創生」への取り組みが始まった。兵庫県では、全国に先駆けて「地域創生条例」を制定。2020年までの5年間、集中的に人口対策に取り組み、東京への一極集中の是正や県内の地域活性化を図る。
 その一環として、国内外企業の立地に対して税の優遇を行い、企業誘致や起業を促進している。国内外から企業や資本が流入すれば、新たな雇用が創出され人の流入も促進される。また昨年東京に、県内への移住に関心がある人に向けた相談窓口「カムバックひょうご東京センター」を開設し、移住者を取り込む狙いだ。
 東京・大阪から県内への転入先のうち、多数を占めるのは都市部の神戸・阪神間である。ブランド総合研究所が発表している2016年市区町村魅力度ランキングでも神戸市は9位。神戸・阪神間のブランド力を再構築するべく、昨年から三宮周辺地区の再整備も始動。人が集まる魅力あるまちづくりに着手している。また、東京や大阪への転出を抑制し県内への移住を促す狙いで、広報活動にも力を入れている。国内外に向けた地域創生リーフレットの作成や、各世代のニーズに合わせた新聞やウェブなどへの広告掲載で県内への就学、就職を促すほか、インスタグラムを活用した若者向けの広報や大阪市内で兵庫の魅力をアピールするイベント「ひょうご博覧会in大阪」も開催している。
 自然増対策としては、不妊・不育治療への助成や「ひょうご出会いサポート事業」による独身男女の出会いと結婚のサポートを行い、年間4万4千人の出生数を目指す。2020年までに25,700人の流入増加の達成、さらに2060年には人口450万人までに減少を食い止めたいとしている。


この記事を書いた人:

阪神版
兵庫県 西宮市、芦屋市を中心に地域情報をお届けしています。

HP: http://platnavi.net/ebook/citylifenew/citylifehanshin/book.html


http://citylife-new.com/publicities/2017/02/49802.html