日本の畜産業界に新風 牧草牛・放牧豚などの精肉店オープン


苦楽園に牧草牛などの小売とイートインを提供する「GOODGOODMEAT(グッドグッドミート)」が7月29日にオープンした。「世界中の食卓を極上赤身肉で笑顔にしたい」というコンセプトのもと、日本の畜産業界で挑戦を始めた代表の野々宮秀樹さんに、話をうかがった。

【会社の経営者たちが食肉の生産へ】
 出発点は、「ソーシャルグッドな事業をしたい」。野々宮さんは、学生時代に起業して以来20年間会社を経営し、資本や利益を追求してきた。来年40歳になるのを機に、社会的な事業への挑戦を決める。もともと肉好きという共通項があった経営者仲間が集まり、牧場巡りを始めた。牛舎で工業的に生産される牛を見て、広い牧草地で走り回って育った牛との違いに考えを巡らせた。日本の畜産業界のなかで、安心安全で美味しい食の生産を目指したプロジェクトが始まった。

【新たに築く独自の畜産】
 日本の食肉業界では、霜降りA5ランクの牛肉がもっとも高い評価を受ける。「脂身が多く味の濃い肉が、白ごはんのおかずにマッチし、高級だという認識が広まった」と野々宮さん。畜産農家が利益を上げるには、A5ランクを目指して牛を生産するのが近道だ。穀物主体のエサで脂肪のつきをよくし、柔らかい肉質を作る。さらに生産効率を上げるために、狭い牛舎で大量の牛を短期間で飼育する。「霜降り肉を求めている消費者ばかりではありません。僕たちも、効率を度外視してでも牧草地で健康的に育てられた赤身肉を食べたいと思いました」と野々宮さん。しかし、放牧牛は広い牧草地が必要で、牛舎では1haあたり1,500頭を飼育できるのに対し、放牧牛では1頭しか飼育できない。また、日本の畜産業界は、牛の繁殖から小売までの間に多数の業者が介在する完全分業制で成り立っているため、A2、A3の評価を付けられてしまう赤身肉の生産を目指そうという流れにはなりにくい。そこで同店では、自社で買い付けた子牛を畜産農家に委託して牧草地で育ててもらう方法で、飲食店への卸売や店舗での小売を始めた。

【牧草牛・放牧豚の魅力】
 土地の狭い日本では牧草牛・豚の飼育は困難で、北海道や九州の一部でしか実現できない。しかし、たくさん運動した筋肉質の牧草牛からとれる赤身肉は適度にサシが入り、アミノ酸などの栄養価が高く、旨味も多い。同店では、今年4月に自社で放牧牧場を取得し、1,500頭の豚の飼育を始めた。牛の牧場も取得し、繁殖から飼育、販売までを完全自社資本で行い、理想の食肉生産を目指す。


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