市の未来を動かす 最上位プラン「総合計画」 市民とともに住みよい環境をつくる


 自治体では、全ての施策の基本となり、まちづくりの根幹をなす「総合計画」を作成している。一般的に、目指す将来像を記載する「基本構想」とそれを実現するための方向性を記載する「基本計画」、具体的な施策を示す「実施計画」によって構成されている。芦屋市では、どのような総合計画のもと、どこを目指して進んでいるのか。市にうかがった。

【計画期間と方針】
 芦屋市では、平成23年度から平成32年度までの10年間を第4次芦屋市総合計画として策定、うち平成28年度からの5年間を後期基本計画として位置づける。基本方針には「人と人がつながって新しい世代につなげる」などの4分野を重点施策として定め、地域全体で支える子育て、街の自然や住環境についてなど、目標とする芦屋の姿を示している。

【官民一体で整備 より良い住環境】
 恵まれた自然や美しい街並みから、良質な住宅地として知られる芦屋市。住環境の維持・整備は、総合計画の重点施策にも位置づけられている。全国で最も進んでいる無電柱化や「屋外広告物条例」の規制により、景観を保全。さらに交通ルールとマナーの周知徹底、通称「市民マナー条例」により、市内全域の公共の場所での歩行喫煙を禁止するなど、市民と行政が一体となって好ましい住環境の形成に取り組む。
 また、文化レベルの高いまちづくりの一環として、「読書の街」プロジェクトを推進。昨年に続き今年も美術博物館と谷崎潤一郎記念館の庭を開放し、図書館の本が芝生の庭で読める「niwa-doku(にわどく)」を開催した。同イベントでは、本の交換会や子どもへの読み聞かせなどの企画を実施し、市民が本に触れるきっかけや、読書を通じた世代間の交流につながった。

【教育・子育てには地域の力を活用】
 教育に高い関心を持つ市民が多い同市は、幅広い世代が子どもと関わる取り組みにも力を入れる。その一つが市内8校すべての小学校で行われる放課後子ども教室「あしやキッズスクエア」だ。遊びながら学ぶをテーマに、地域ボランティアや高校・大学生の参画を得ながら、放課後での児童の居場所作りと将棋、折り紙、プログラミングなどの体験プログラムを実施している。また、企業やNPO法人と連携したプログラムも実施しており、今年行われた「駄菓子屋チャレンジ」ではお祭りに実際の屋台を出店。小学生が、仕入れから対面での販売、収支計算までを自分たちで行った。
 「食育」にも積極的で、小学校給食はすべて自校調理かつ栄養士ごとの独自献立。この取り組みが特色のある給食として全国で話題になり、昨年には『芦屋の給食』というレシピ本を出版。今年はクックパッドにも芦屋市給食のアカウントを開設し、レシピを掲載している。シェフによる「味覚の授業」や「コラボ給食」、保護者向け料理セミナー等食育の取組を進めている。
 学校教育の充実や良質な住環境の一方で、待機児童問題など若い世代の子育てには課題も残す。現在,市では,認定こども園を整備するなど子育て施策に積極的に取り組んでおり、引き続き充実を図っていくとしている。

【歴史的建造物の活用も市民主体で】
 市民参画と協働により進められている芦屋市の総合計画。市の担当者は「地元愛が強く、地域のために何かしたいと思ってくれる市民が多いと感じる。人口の折り返しを迎えるこれからの10年も“いい街”であり続けるよう、市民と行政が一体となってまちづくりをしていく」と話す。それを象徴するプロジェクトが、JR芦屋駅から阪神芦屋駅にかけて、歴史的建造物が点在しているエリアのリブランディング。市民が主体的に関わるワークショップを実施し、全国でも珍しいレトロな石積み構法で建築された「旧宮塚町住宅」をリノベーション。女性の就業や起業などの活躍を支援する「芦屋リジューム」事業とも連携し,実践的な支援の場とすることなどが予定されている。他にもコミュニティスペースや起業支援としての活用など、複数のアイデアを検討中。街の良さを残しつつ、新しいまちづくりに挑戦している。


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阪神版
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