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抗菌・抗ウイルス効果のある箕面の実生ゆず 人との縁を繋ぎ社会貢献の一助にも

2021.01.24

かつては多くが廃棄されていた箕面市・止々呂美(とどろみ)地区で栽培される「実生ゆず」。有限会社re・make(リメイク)の代表・岡山栄子さんは実生ゆずに可能性を見出し、試行錯誤の結果、肌への保湿効果やアンチエイジング効果だけではなく、昨年には新型コロナウイルスに効く殺菌効果を実証。活動を通じて人とのかかわりも深めてきた。岡山さんは「地元の資源を使って、心豊かに暮らせる社会を支えたい」と考えている。

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「くらしサポートセンター守口」利用者の皆さんと一緒に、今年は11月~12月にかけて収穫や加工作業を実施した

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実生ゆずとの出会い

一般に流通している接ぎ木のゆずとは違い、実生ゆずは種から育てる原種。収穫するまでに約18年を要し、香り高く大粒の高級品。しかし、約10年前は農家の高齢化が進み収穫できず大量に廃棄されていた。岡山さんは「箕面にこんな素晴らしい地産物があるのに、もったいない」と思い、実生ゆずの活用方法を模索することに。以前から植物由来のスキンケア商品の販売や精油を使った未病ケア・スクールなどを手掛けていた岡山さんは、さっそく実生ゆずを使った商品開発を開始。大阪大学発ベンチャー企業の医学博士とやり取りし、実生ゆずとして初めて第3者機関による効果検証を行った。保湿や美白効果があることに加えて、植物由来の成分としては類を見ないアンチエイジング効果を発揮することも分かった。

re・make代表・岡山栄子さん。病気で亡くしたご主人の看病中に未病に興味を持ち、植物療法やアロマを取り扱う仕事を開始。現在は実生ゆずを使った商品開発・販売と新たなサービスも開発中

 

就労支援の場としても提供

実生ゆずをきっかけに就労支援の場もできた。製品開発の一環で地元の農業高校で生徒たちと実験を行う中で、障がいのある学生も一緒に作業をした際、元気になっていくことに気づいた。岡山さんは「福祉事業所などで、楽しくできる場所があるといいのでは」と、知り合いを通じて実生ゆずの収穫や加工作業の場を提供することに。その流れで守口市の自立相談支援事業所「くらしサポートセンター守口」とも縁ができ、3年前から就労準備の場として、利用者とスタッフが箕面市に行って手伝っている。

今年度は守口市内の商店街の一角を加工場に利用

利用者の中には「明るく元気になった」と喜ぶ親もいるなど好評で、今年度は同センタースタッフの尽力もあり、同市内の商店街の空き店舗を加工場として利用。箕面市と守口市を行き来しながら作業を実施した。ほぼ全日程に参加したという利用者の20代男性は「最初は静かだった人も、作業を終える頃にはおしゃべりになっていました」と笑顔を見せる。スタッフは「体を動かしたり、たくさんの人とコミュニケーションをとるので、利用者の方にもいい影響が出ているようです。ゆずのリラックス効果もあるのでしょうね」と話す。

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抗ウイルス、除菌効果を発揮

昨年はボタニカル(植物性)除菌剤の開発を進め、抗ウイルス、除菌に有効な成分を発見。ちょうど1年前、新型コロナウイルスの第一波の報道がされるやいなや「アルコールは手を傷めるし、使えない人もいる。実生ゆずでできないだろうか」と考えた岡山さん。前述の医学博士に相談し、すぐに開発に取り掛かった。

果皮のワタから抗酸化作用や殺菌力といった有効成分を取り出し、新型コロナウイルスとノロウイルスにも効くことが分かった。「実生ゆずが良いといっても、化粧品は好きな人だけが使うもの。除菌スプレーのように世の中が求めているものならば、実生ゆずの価値も認められると思いました」。また「地元の特産品を使って地元の人の健康を守ることができ、SDGsの考えにも一致する」と考えた。

量り売り(オープン価格)のイメージ。岡山さんの思いに賛同する店舗を募集している。問い合わせはメール(info@yuragi.co.jp)

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岡山さんの思い

実生ゆずの現状を知ったり、人との縁を繋いだりしているうちに地域貢献も視野に入るようになった。今は「人が生き生きと輝いている状態を維持する”ウェルネス”を進めていきたい」という夢に向けて動いている。
実生ゆずの除菌スプレーは30mlで980円。アルカリ性に耐えられる容器が高価なため、量り売りを開始する予定だ。「除菌スプレーは飲食店などで購入できるようにしたい。それが来店の動機になり、地元の店舗の活性化にも寄与できれば」と考えている。実生ゆずを中心に回り出した岡山さんの思いは、今後も多くの地元の人たちと共に拡がりを見せそうだ。

 

ゆらぎスタイル

住所
箕面市牧落3-4-20
電話番号
072-702-1735
HP
営業時間
10時~18時
定休日
不定休

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