【コロナ禍の先へ】 体験型学童保育「せかんどはうす」をスタート 株式会社リグロース 熊田真一郎さん
2021.04.07
国内ではじめて新型コロナウィルスの感染が確認されて、1年半近く。
私たちの生活は大きくかわりました。
このシリーズでは、コロナ禍をきっかけに新たなチャレンジをはじめた地域の方を取材し、コロナ禍の先へ向かう地域の姿をお伝えしていきます。
子どもたちに「本物」の経験を
子どもの頃から乗り物が好きだった。祖父と一緒に、仕事帰りの親を毎日駅まで迎えに行った。 新幹線関連の仕事に従事する祖母の影響もあり、大学卒業後は一貫して交通業に携わってきた。
リグロース代表 熊田さん
2018年に独立し、その翌年バスを使ったファミリー専用ツアー「あそびばす」を開始した。
コンセプトは「学びと発見」。田植えや、ソーセージ作り、ランドセル工房の見学など、体験企画を盛り込み、テレビ取材を受けるなど人気を呼んだ。
熊田さんは「子どもは『本物』を体験することで物の見方が変わり、考え方が変わる。そのきっかけ作りがしたかった」と話す。
新型コロナの影響は
業績が順調に伸びるなか、昨年1月、国内で初めて新型コロナの感染確認が報道される。
その影響で、春に実施予定だったツアーはすべてキャンセル。
年末に和歌山電鉄の協力を得て企画した電車貸し切りツアーは、初日分が即日完売したにもかかわらず、「Go Toトラベル」の全国一斉停止、さらに帰省自粛の呼びかけにより中止を余儀なくされた。
「半年ぐらい売上はほぼゼロ。でもランニングコストはかかる。国の補助金ではとても間に合わなかった」と振り返る。
体験型学童保育「せかんどはうす」の立ち上げ
これまでの経験を活かして何かできないか。思い浮かんだのが学童保育だった。
以前、自宅近くの寺で行われていた放課後事業を訪れたことがあった。そこには地元の子どもたちが多く通っていた。
さらに学童保育の数が不足している現状を知った。そこで、新しいスタイルの体験型学童保育「せかんどはうす」の立ち上げを決意。
4月のスタートに向けて、「プログラミング」や「世界の文化」のほか、医療やスポーツなど各分野のプロから仕事の仕組みを学べるカリキュラムを準備している。
「せかんどはうす」のおやつボックス。お金の使い方を楽しみながら学ぶため、スタッフが決めた予算内で自分が食べたいものを購入する。
地域とともに再成長を目指して
これまで交通業の分野で多くの業績改善に取り組んできた熊田さん。
社名「リグロース(再成長)」には「どんなことも再成長できる」という信念が込められている。
熊田さんは第二の家のようなアットホームな場所を作りたいと話す
「旅行業を通して全国各地とつながってきた。生まれ育った北摂を拠点に、各地を元気にするお手伝いがしたい」。
コロナ禍の今、地域とともに再び成長を目指す。
記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。