大人にも増えている「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」とは
2021.07.22
近年、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は大人にも増えてきていると注目されています。法橋心療内科の法橋先生に話を聞きました。
法橋心療内科 法橋 明先生
和歌山県立医科大卒業、医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会認定医指導医、日本医師会認定産業医
ADHDには、主な症状として「不注意」「多動性」「衝動性」の3つがあり、個人差はありますが子どもの頃のADHDと比べて大人の場合は「不注意」が目立つ傾向があります。
これらの症状は一昔前なら個人のクセや性格だと言われていましたが、今はしっかりと診断治療することができます。ADHDは脳内における情報伝達の際にシナプス間隙での、神経伝達物質の不足で症状が表れます。
その人が本来持っている「生物学的脆弱性」が主な原因と考えられていますが、今はCAARS等にて細かい病態把握ができ、適切な薬物療法もできるので思い悩み続ける必要はありません。
現在はインターネットで簡単なセルフチェックは出来ますが、正しい診断は出来るわけではありません。勝手な判断が余計な心配ごとを生んだり、重大な症状を見逃したりすることにつながります。
ADHD(注意欠陥多動証)も早期発見早期治療が可能な疾患です。適切な診断、病態把握、治療薬の選択、環境調整が必要なので、生活を送る上で困るようでしたら一度専門医に相談してみてください。
[ADHDの主な症状]
不注意(気が散ってしまう)
□ 仕事などでケアレスミスをする
□ 忘れ物、なくし物が多い
□ 約束や期日を守れない、間に合わない
□ 時間管理が苦手
□ 仕事や作業を順序だてて行うことが苦手
□ 片付けるのが苦手
多動性(じっとしていられない)
□ 落ち着かない感じ
□ 貧乏ゆすりなど、目的のない動き
□ 思ったことをすぐに口にしてしまう
□ 衝動買いをしてしまう
[環境調整の具体例]
● 用事を先送りにしてしまいがちな人 → 作業を小分けにしてみる
● 忘れ物が多い人 → 必要なものは玄関やドアの前などの通り道に置いてみる
● 失言が多い人 → 頭に浮かんだことをメモにとってみる
● 約束や期日が守れない人 → 人目につくところに表を貼ったり、タイマーをかけてみる
● 片付けられない人 → 完璧を目指さず、出来る事から手をつけましょう
● 衝動買いをしやすい人 → 持ち歩くお金を減らし、買い物をする日を決める
医療法人 法橋心療内科 ホウキョウシンリョウナイカ
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