知の冒険へ。北摂の 書店めぐり
2021.09.19
読書の秋がやってきた。明治時代から続く老舗書店がある一方で、新しい独立系書店も増えつつある北摂エリア。まだ見ぬ本との出会いを求めて、個性豊かな書店をめぐってみては。
1 0 0 年を超えて愛され続ける老舗書店
吹田市江坂町の「天牛書店」と、茨木市大手町の「堀廣旭堂」。どちらも明治時代から100年以上続く老舗の書店だ。
天牛書店は1907年に大阪市内で営業を始め、空襲での焼失や再開を経て、1988年に江坂に本店を移転。吹き抜けの2フロアの広々とした店内に古書がずらり。洋書から和本まで、時代、ジャンルを問わず取り揃えている。常に鮮度の高い棚作りを心掛けているとあって、いつ訪れてもユニークで楽しい本との出会いが楽しめる。
吹田市の天牛書店
堀廣旭堂は1894年の創業以来ずっと同じ場所で営んでおり、作家・川端康成も通ったという歴史ある書店。創業者のひ孫にあたる堀博明さんは、「大型店やネット書店にはできないことを」と配達サービスや企画性のある棚作りに力を入れるほか、書店業界を盛り上げる活動も行う。
この2店に共通するのは、代々受け継がれてきた家業を守りながら新たな試みにも取り組んでいるということ。天牛書店は希少な本を取り扱う古書店としての強みを生かし、古い写真や地図をはじめ、アンティークイラストの画像販売サイトを運営。堀廣旭堂は「地域に密着した書店ならではのきめ細かなサービスを」と配達に力を入れている。時代に合った形を模索し続けているからこそ、時を超えて支持されているのだろう。
茨木市の堀廣旭堂
北摂でも増えている個性豊かな書店
近年、全国的に増えつつある独立系書店。北摂でも小さくも個性豊かな書店が次々と誕生している。なかでも早くから人気を集めてきたのは、2010年にオープンした箕面市の「ひなたブック」。駅前のビルの一室で開店し、現在は滝道で営業している。
箕面市のひなたブック
池田市には2017年に「まがり書房」がオープン。本好きの店主が「自分の住む街におもしろい本屋があったらいいな」と思い、お店をオープン。棚には新刊と古書が混ざり合い、珍しいリトルプレスもたくさん。
2019年にオープンした「Karite」は、子育て中の夫妻が選んだ約1,000冊の絵本、児童書が揃う。関連する本を近くに並べ、ジャンルがグラデーションのようにつながっているので、本を探すうちに興味が広がっていきそう。阪急池田駅から徒歩圏内で書店めぐりが楽しめるようになった。
池田市のまがり書房
同じく池田市のKarite
書店ではないが、2015年に誕生した箕面の個人図書館「LibraryThink」も気になる存在。昭和の風情が漂う桜井市場の一角に、週3日オープンする個人図書館。本屋を営んでいたオーナーの蔵書や知人からの寄贈本が、壁一面に並んでいる。「本を媒介に人がつながる場所になれば」と小さなイベントも随時企画。
箕面市の個人図書館LibraryThink
書店や本にまつわる新しい動きは今後も広がっていきそうだ。他にも食や芸術など、深まる秋を楽しむための情報が載っている北摂まち本は書店・コンビニ・スーパーで発売中。北摂の歴史・文化にふれてみよう。
※画像をクリックすると「City Life Shop WEB」が開きます
※画像をクリックすると「City Life Shop WEB」が開きます
<北摂まち本>
定価:990円
ページ数:224P
販売:北摂、一部関西の書店・北摂のコンビニ、スーパー
City Life Shop WEB、amazon.jpでも購入可能
記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。