「手洗い」や「マスク」による乾燥&肌荒れを防ぐには
2021.10.01
マスクや乾燥による肌荒れ。放っておくと悪化する可能性も。どのような対策が必要なのか、千里中央花ふさ皮ふ科の花房 崇明院長に話を聞きました。
花房 崇明 院長
大阪大学医学部卒業。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。
自身もアトピー性皮膚炎で、経験を活かせると考え皮膚科の道へ。
テレビ取材などメディア掲載多数。
これから冬になると乾燥に悩む患者さんが増えてきます。特に最近は新型コロナウイルスの影響で、アルコール消毒による手荒れや乾燥に悩んでいる方が多い印象です。乾燥肌というものはある程度遺伝するといわれていて、例えば「乾燥」と「アレルギー」が組み合わさって発症するアトピー性皮膚炎の患者さんの3割程度に、「乾燥肌」に関連する遺伝子に異常が見つかっています。
「天然保湿因子」は皮膚の水分を保持する機能を担っていますが、年齢を重ねるにつれ乾燥しやすくなるのは、この天然保湿因子の減少することが原因の一つです。天然保湿因子は食べ物やサプリで補うことができず、よく言われる飲むコラーゲンは、直接的には乾燥肌には効果が無いと考えられています。
乾燥を防ぐには外から保湿することが大切です。皮膚科クリニックでは一般的に高い保湿作用のある「尿素」や「ヘパリン類似物質」が含まれる保湿剤を処方することが多いです。市販のものではセラミド含有のハンドクリームなどがおすすめです。手洗い後、保湿をしないと手湿疹の原因になり、放っておくとあかぎれになったり、爪が変形することもあります。ぜひ手洗いと保湿をセットで行うようにしてください。
また夏場に多かった相談が、あご周りのニキビや肌荒れです。原因はマスクが擦れて肌に負担がかかったり、マスク内の温度や湿度が上がりアクネ菌が繁殖したことが考えられます。ニキビ治療は進歩していて、炎症を抑える抗生剤だけでなく、毛穴のつまりを取るための薬ができています。ニキビ跡にはケミカルピーリングやフラクショナルレーザーといった治療法もあります。いずれにせよ、早めに治療することをおすすめします。
医療法人 佑諒会 千里中央花ふさ皮ふ科
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