学生のためのシェアスペースを開設 「コミュニティー再生のきっかけに」
2021.10.15
主宰する木曽さん。「学生が力を発揮できればきっともっと良い未来が待っている」と期待する
6月、JR茨木駅前のショッピングセンター「茨木ショップタウン」2階に学生のためのシェアスペース「芝生研究所」がオープンした。
学生が自由に出入りでき、無料で利用できる。
開設したのは、同市で音楽イベントなどを企画運営する「KoToサウンド合同会社」の代表、木曽稔之さん。
「コロナの影響で、希薄になった人と人とのつながりをもう一度結びなおしたい」と話す。
机や椅子などは学生たちの手作り
木曽さんはコロナ禍以降イベントが開催できない状況が続くなか「まずは町を元気に」と、市内にキャンパスのある立命館大の学生や事業者と協力して町の活性化に取り組んできた。
この場所を作ったきっかけは「友達と気軽に話せる場所がない」という学生からの相談だった。
昨年から続くオンライン授業、サークル活動の制限などにより、「友達ができない」「サークルの維持が難しい」といった問題が起きていることを知った。
壁塗り作業をする学生たち
そこで「学生が自由に活動できる場所を」と、地元不動産会社の協力のもと同スペースを開設。
学生のやりたいことを聞き出し、イベントの開催をサポートするなど、活動しやすい仕組みを作った。
木曽さんは「学生が目を輝かせながら自分のやりたいことを伝えてくれる瞬間がうれしい」という。
学生の関心に合わせて、外部から講師を招き勉強会が開かれる
同大の「珈琲研究会RCS」の代表で、将来はカフェを開業したいという山本惣大さん(経営学部4回生)は、コーヒーの試飲会を実施。自ら焙煎した豆でおいしいコーヒーの淹れ方を実演、来場者に提供した。
山本さんは「しばけん(芝生研究所)は、自分のしたいことを広げられる場所」と話す。
おいしい珈琲の淹れかたを説明する山本さん
7月にはここへ通う学生らで地元ボランティア団体が主催する安威川上流の渓谷「竜仙峡」の清掃活動に参加。
徐々に同スペースに関わる学生が増え、地域に興味をもつようになってきたという。
「人が集まれる場所が無くなったことで、その場所に紐づいたコミュニティー自体が無くなったと感じる」という木曽さん。
「この場所がコミュニティー再生のきっかけになれば」と話している。
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