学生による学生のためのミニシアター宣伝部隊「映画チア部」
2019.06.17
関西のミニシアターにもっと学生を呼び込もうと活動している大学生の団体がある。
「映画チア部」
神戸・元町映画館を拠点として2015年に結成されて今年で5年目を迎えるが、実は映画館や映画業界には知られた存在。
今年4月20日には大ヒット話題作「カメラを止めるな」のスピンオフ映画「ハリウッド大作戦」の関西最速上映と出演者の舞台挨拶を成功させた。
活動内容やその想いを代表の高橋佳乃子さん(神大・3回生/写真右)と繁原実沙さん(武庫川大・4回生/写真左)に聞いた。
普段の活動は大きく分けて3つ。
1つは「シネマツーリング」。駅で待ち合わせてミニシアターまで一緒に行き、映画を鑑賞、その後は喫茶店で感想を語り合うという活動。一人ではミニシアターに入りにくい、気になっている映画を趣味の合う誰かと共有したいというニーズに応える活動だ。
学生限定なので、同世代の交流のきっかけにもなっている。
2つ目は拠点である元町映画館の2Fで3ヵ月に1度開催している自主上映会「チアシアター」。
6/15(土)上映「書くが、まま」では上村監督によるトークイベント・サイン会も開催(すでに開催済)
上映機会の少ない作品をもっと観てもらいたいという想いで作品を選定している。
上映時間が短いなどの理由で映画館での上映がかなわない作品や、時には映画監督から依頼が来ることもあるそう。
3つ目は新開地にある名画座パルシネマしんこうえんとの企画「オールナイト上映」。
6/22(土)オールナイト上映は音楽しばりの3本
こちらも3ヵ月に1度の開催だが、毎回学生ならではのチャレンジングな視点で3本を選んで上映している。こうした活動内容は月に2回行われるミーティングで決めている。
意外にもメンバーは現在約10名と少ない。
が、映画やミニシアターが好きで、活動に興味を持った学生が個別に応募してくるので精力的に活動ができる。
告知などはSNSが中心であるが、学生同士のネットワークを使えることや宣材を大学内に置けること、また同じ視点で宣伝活動ができる強みがあるという。
通う大学で映画研究部を立ち上げたという学生もいる。
学内で映画研究会や映像制作をするサークルなどは目にするが、このように大学の垣根を越えて映画や映画館の宣伝に特化した活動を行っている団体はめずらしいのではないだろうか。
代表の高橋さんは「商業映画と違い、ミニシアターで上映される映画には深みを感じる。映画館スタッフとの距離感が近く親密になれるのもミニシアターの醍醐味。また監督や演者の舞台挨拶が身近に見られたり交流をすることもできる。一度来てもらえればその魅力にはまる”沼”です」という。
最近は映像配信サービスなども豊富で、映画をいつでも観られる環境にあるが、映画館に足を運び、その作品に向き合う時間をわざわざ作るからこそ感じられることがあるのかもしれない。
映画チア部のOB・OGの中には映画関連の仕事に就いたメンバーもいる。
現在元町映画館で働く石田 涼さんは映画チア部の1期生。
「映画チア部は元々学生の来館者数を増やすため、元町映画館から持ちあがった話。当時と比べて学生の来館が画期的に増えたとは言えないが、活動の幅や業界での認知度は確実に上がっている。また学生の活動も積極的で、学生側からの提案も多くなっている」という。
今年4月には京都・出町座(京都市上京区三芳町133)を拠点とする京都支部、大阪・シネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条1-20-24)を拠点とする大阪支部を立ち上げた。今後ますます活動に広がりを見せるだろう。
=開催日時=
【開催済】2019年6月15日(土)
●映画チア部自主上映会・チアシアター
「書くが、まま」
元町映画館2F
①11:30~
②15:00~
一般 1500円 / 学生 1000円
※短編映画「決別」の併映あり。
※各回上映後、上村奈帆監督トークイベント&サイン会開催
●パルシネマ×映画チア部・3本立てオールナイト上映
~真夜中のCINEMA JUKEBOX~
①「はじまりのうた」②「ヘアスプレー」③「坂道のアポロン」
パルシネマしんこうえん
上映24:00~翌6:15(23:45開場)
一般2600円 / 学生2200円(前売一般2400円 / 学生2000円)
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