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【SDGs】食品ロスと貧困を同時に解決するため社会全体で動いていこう

2022.01.04
12月18日京都府京田辺市に開店した「ecoeatPlus(エコイートプラス)松井山手店」。
2日前の開店準備日、高津さんは自ら荷物を運び入れていた。

 

一方では食品が余ってしまい、一方では食事を摂れない人達がいる。この凸凹をならす活動に取り組んでいるのが、昨年11月に大阪市から摂津市に拠点を移したNPO法人日本もったいない食品センターだ。代表理事の高津(こうず)博司さんは、2015年から活動を始め、2017年にNPO法人を立ち上げた。各市や社会福祉協議会と協力・連携しながら、食品ロスと貧困の問題に向き合っている。

消費期限と賞味期限の正しい認識を

農林水産省発表の2018年の食品ロス(可食部分と考えられる量)は、食品関連事業者によるものが328万トン、一般家庭によるものが284万トンで、合計612万トンにも及んだ。摂津市に本部を置くNPO法人日本もったいない食品センターの代表理事・高津博司さんは、2015年頃、自身が経営する商社でメーカーの担当者からあるお菓子が廃棄処分されたことを聞かされる。「すごく好きな商品だったので、〝えー、あれが捨てられたの?もったいない〟と思ったことがこの活動を始めるきっかけになりました」。

始めてみてわかったのが、賞味期限が迫っているため、店頭に並べることができない商品が廃棄されているという現実だった。「日本の消費者は、食品に対してかなり厳しく品質を求める傾向があります。消費期限は期限を過ぎたら食べない方が良いですが、賞味期限はおいしく食べることができる期限なので、書かれた保存方法を守って保存されていた場合には、この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるというわけではありません。『食べられる状態であるが、廃棄される食品』を見定め、なんとかもう一度、流通させることはできないだろうか、と考えるようになりました」。

買うだけで社会貢献ができる店『 ecoeat(エコイート) 』

そこで高津さんは、食品メーカーや卸・小売店等の事業者から規格外食品や販売期限・賞味期限の理由によって廃棄される食品を仕入れ、事業者からの食品ロスの数を削減しようと試みた。仕入れた食品を消費者に届ける目的で作られたのが、大阪や兵庫のほか、埼玉から沖縄まで全国に14店舗ある食品ロス削減ショップ『ecoeat(エコイート)』だ。

エコイートでは、安全かつ美味しく食べられるのに廃棄される可能性が高い食品を中心に販売している。「来店されたお客様は、こんなにも廃棄される可能性のある食品が多いのかと目の当たりにされることになります。スタッフは安全に食せることを確認した上で、陳列された商品の安全性や賞味期限が切れた食品の味について理解を深め、お客様に説明しています。こうした啓発活動の場としての役割もエコイートは担っています」。

生活困窮者への支援も活動の大きな柱

また同センターでは、福祉施設や生活に困窮されている個人への食料品支援も行なっている。「この活動を始めてから生活に困窮されている方と接する機会が増えました。身寄りの方がいらっしゃらない、家族の病気や身体的、または精神的な理由で付き添っていないといけない、またはご自身が身体的・または精神的な理由で働くことができない、公的な支援を受けられるまで耐えられない、など様々な理由が複合的に重なっています。とくに子どもたちがお腹をすかせていたり、貧困が理由で教育格差が生まれている現状を何とかしなくてはと思っています」。

これらの支援をするために必要な活動費は、エコイートの売上からも捻出されている。「販売している商品を購入いただくことで、より多くの食品ロスを減らすことはもちろん、多くの生活に困窮する方を救うことにつながります。買うだけで社会貢献ができるこの店を少しずつ増やしていきたいと思っています」。また高津さんは取材や講演などの依頼も可能な限り受けて、この現状を伝え、発信することも重要な活動と位置づけている。

ecoeat東三国店(大阪市淀川区東三国5-7-6)

配送料支援のための寄付も受付

生活困窮者に支援する食料品は段ボールに詰め、生活の拠点に直接配送している。その数は100世帯を超え、一件あたりの配送料はおよそ1,000円かかるという。エコイートで販売している商品を購入することや、100円から支援できる寄付も同センターのHPで受け付けている。


PROFILE

特定非営利(NPO)法人 日本もったいない食品センター
摂津市鳥飼上3-10-38 株式会社翔樹ロジスティクス内
TEL.072−657−7967
https://www.mottainai-shokuhin-center.org/

 

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