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音楽の力で乗り越えようBOROが歌うメッセージ「OVER COME」

2022.01.02

「大阪で生まれた女」で知られるシンガーソングライターのBOROさん。2005年から約10年間の闘病生活を経て、2015年に健康を取り戻し復活。そんな病魔を克服したBOROさんが、コロナ禍という世界を覆うネガティブな状況を憂い、ポジティブな心の叫びを「歌」と「詞」で表現したアルバム「OVER COME」を12月に発売した。完成までの想いを聞いた。

不安から希望へとステイスタジオで生まれた歌

2020年、コロナ禍によりBOROさんも予定していた40周年ツアーを中止せざるを得なくなった。「当初はかなり落ち込みましたが、世の中がステイホームになったこともあり、〝よし、こうなったら曲づくりに専念しよう〟と気持ちを切り替えて自宅のスタジオにこもり始めました」。

一曲完成したらすぐにレコーディングというスタイルで創作活動を続けるなか、いつものようにバンドを入れての演奏ができない状況が続いた。「まさに密になりますから、これはもう一人でやるしかないと決めました。結果としてシンプルなサウンドになり、自分の伝えたいメッセージが色濃く出せたと思います」。

そして年が明けた2021年1月、BOROさんに初期の腎臓がんが見つかり、吹田市にある大阪大学医学部附属病院で手術を受けるために入院をする。「病院で働く医療従事者の方々の大変さを間近で体感し、自分も今まで何度も助けていただいた。そんな感謝の気持ちをストレートに歌ったのが『病院で働く人に捧ぐ歌』です。また病院の窓から見える万博記念公園の木々の緑と、太陽の塔の後ろ姿、青空を眺めている時に降りてきた歌が『道化師たちの住み家』なんです」とBOROさん。1曲目の『ガラス細工の飾り物』では得体のしれない不安を、2曲目のこの歌では、〝見上げて歩こう あの! あの空の中に 道化師たちの住み家があるから〟と前向きに顔を上げて生きて行こう、とメッセージを送っている。

次の目標は、69歳でロックなアルバムを作ること

パワフルに活動を続けるBOROさん。「OVER COMEは克服という意味。困難な世の中だけれども、私たちは必ず乗り越えられると信じています。来年には69歳になるので、次のアルバムはロックテイストにしたい。新たな夢にまた挑戦です」。

BORO(ボロ)/1954年生まれ、兵庫県伊丹市出身。神戸市在住。1979年デビュー。歌手としての活動と併せて、1993年の「AYAKA基金」設立から28年に渡って、歴代の厚生労働大臣に募金を寄託し、難病支援、研究推進を訴え続けている。

24th Album「OVER COME」
[税込価格] 3,240円(2021.12.22発売)
●ガラス細工の飾り物 ●道化師たちの住み家 ●真夏の雨のメロディー ●Door Man ●ボクのトロンボーン ●Mistake ●希望へのドア ●病院で働く人に捧ぐ歌 ●友の名は… ●小さな家 ●Animal* ●愛の狩人* (*2曲はボーナストラック)
BOROオフィシャルHP
https://8onpu.com/

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