こうしたコミュニティの大切さが改めて浮き彫りになったのが、昨年来のコロナ禍です。社会を動かす仕組みには、行政が担う「公」、主に経済分野の「私」、コミュニティが支える「共」の三つがあります。平時は自治会や市民活動団体など「共」に頼らなくても、「公」と「私」でやっていけます。
「私」の部分でお金があれば問題の多くは解決でき、難しければ「公」である行政に頼めばいい。しかし、コロナ禍では経済が止まり、「私」が当てにならなくなりました。行政は法や制度で動くため、素早い対応ができません。
結局、頼りになるの「共」、地域の支え合いです。例えば茨木市では昨年、飲食店を支援しようと、市民や事業者が市限定の飲食宅配サービスを立ち上げました。震災など災害でも「共」が支えになるのは同じ。地域で自らが動いてこそ、周りにも助けられるのです。