【SDGs】吹田市がウクライナからの避難民の受け入れを実施市内の企業もサポートへ
2022.05.10
写真は社長の松岡康博さん(左)と総務部の佐々木隆治さん(右)。
持続可能な開発目標である『SDGs』。環境的な問題のほかにも、誰もが安心して暮らせる世の中にすることは、重要な目標のひとつだ。
ロシアによる侵攻を受けて、ウクライナから国外に避難した人の数は450万人を超えている(4月11日現在)。日本にもすでに400人が入国し、4月5日には政府専用機でウクライナから20人が到着した。
その中で吹田市が受け入れを表明したウクライナ人の30代女性と13歳の子どもの2人が、同市が準備した市営住宅の一室で滞在を始めた。
この受け入れは女性の母親が吹田に暮らしていることから、同市に申請して実現。住居は確保できたが、実際に暮らすとなると食料はもちろん、生活用品が必要になる。そこで地元企業もサポートに乗り出した。
日用品の製造・販売を手掛けるトップ産業(吹田市豊津町)は寝具や調理器具などを支援。今年で創業54年を迎え、『和装バッグ』が看板商品の和装袋物メーカーだ。ガンバ大阪のアカデミーを支援するGAMBAssist(ガンバシスト)であり、ほかにも『ドナルド・マクドナルド・ハウス おおさか健都』の移転支援なども積極的に行なっている。
同社代表の松岡康博さんは「3月24日に後藤圭二市長を表敬訪問した際に、受け入れの話を聞きました。自社の製品でこういった支援ができるのは、ありがたいことだと、すぐに社に戻って、社員と一緒に必要なものを、いろいろと選ばせていただきました」と話す。
実際に支援品を届けた同社総務部の佐々木隆治さんは「あれもこれもと詰め込んだらダンボール5箱分くらいの量になりましたが、お二人はとても喜んでくださいました。当社の製品は、使いやすさを重視したアイデア商品なので、身振り手振りでご説明すると感心していただいたり、笑顔になられて、こちらもうれしかったです」。
しかし問題はこれから。ウクライナの情勢次第で、どれくらいの滞在になるのか見通しが立たないため、子どもの就学や女性の就職などの課題が残る。松岡社長は「言葉の壁もあり、いろいろ大変だと思いますが、私たちとしては、今後もこういった機会があれば、市と協力しながら支援させていただきたいと思っています」と話す。
フライパンやボウル、カトラリー、水洗いカゴから洗濯ピンチハンガー、肌掛け布団まで同社が取り扱う生活用品が届けられた。
「平和と公正をすべての人に」
ウクライナからの避難者が、安定した生活が開始できるよう、市と協力して支援を行なっている。
<問い合わせ>
トップ産業株式会社(吹田市豊津町12-43)
TEL.06-6387-2141
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