俳句コーナーVOL.2 さあ、自然の中へ出てみましょう
2019.10.03
俳句は、机上でも出来ますが、なるべくなら戸外で作ることをすすめます。自然の中に身を置いて、五感を通して言葉を生み出すことが基本だと考えます。前回お話ししました季語というものは、すべて自然の中にあるもの。自然の中にはもちろん人間も入っています。
では、今から外へ出て行きましょう。外に出るとまず、たくさんの植物の季語と出合います。例えば、猫じゃらし。別名えのころ草とも言います。その猫じゃらしの前で立ち止まってください。何かに気がつくでしょう。そうです。風に揺れているということ。これが自然の中で俳句を作ることの第一歩となります。散文にすれば、「猫じゃらしが風に揺れています」ということです。このことを俳句にします。「風に揺れたる猫じゃらし」。あと五音です。
そこで、どのように揺れているのか、どこで揺れているのか、近くに何があるのかなどと見てゆくと、あとの五音が生まれます。
さらに進んでゆきましょう。日傘の女性と出会いました。出会いの恩恵です。日傘は夏の季語なので「秋日傘」とします。その女性の足取りはどうだったのか、服装は、日傘の色合いはなどと共に、前句同様近くの様子も観察します。
次の出会いは、蝶です。蝶自体は春の季語なのでこれも「秋の蝶」とします。同じようにしっかり観察します。どこに止まったのか、どんな動きでとんでいるのか、色は、近くに何があるのかなどを見ます。
それでは自然に魅せられた多くの俳句をお待ちしています。
●初めての方に向けてのアドバイス
一. 五七五音です
いまさらと思うかもしれませんが、これが肝心なのです。私たちは長い文章に慣れているため、どうしても説明的になってしまいます。その説明を削って削って、五音と七音と五音にしてゆきます。
二. 季語が入ります
ひとつの俳句に季語が一つ入ります。これから作られる方は、初秋の季語となります。
三. 歳時記が必要です歳時記が必要です
準備物は、鉛筆とノートですが、あと歳時記という本が必要です。書店の俳句コーナーに行けばたくさんの歳時記が置いてあります。高価なものはいりません。四季がすべて一冊に入っているものの方が、使いやすいと思います。
選者 山口 昭男(やまぐち あきお)
1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。
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※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。
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