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SNS時代の新イベントが4月に万博公園で開催 来場者もTikTokerも、かけがえのない体験の場に

2023.02.13
4月22日の万博記念公園で実施する「SNS EXPO 2023」のロゴ。
クラウドファンディング「うぶごえ」でイベントの協賛者を募る。
詳細は下記のホームページから確認できる。 https://ubgoe.com/projects/325

 

 

4月22日に万博記念公園お祭り広場でSNS時代の新たなイベントが開催される。イベントの名は「SNS EXPO 2023」。今や世界でユーザー10億人といわれている動画配信アプリ「TikTok」の日本最大級の祭典だ。来場者が楽しめる工夫はもちろんのこと、イベントに参加するTikTokerたちにとっても貴重な経験の場となるよう、目下準備が進んでいる。江坂で花屋「MORIYA」を営みつつ、イベントの主催者を務める森俊弥さんに話を聞いた。

クリエイターにも貴重な経験の場に

TikTokerとリアルの場で出会えるなどの来場者が楽しめる要素以外に、このイベントには大きな意義がある。その意義とは、イベントに出演するTikTokerたちが経験値を得ることだ。TikTokerには、動画の配信などから得られる収入で生計を立てている人も多い。そんな人たちにとって大切なのが、ファンや企業をはじめとしたリアル社会でのつながりだ。画面上の存在であるTikTokerは、どうしても直接コミュニケーションをとれる機会が限られてしまう。森さんによると、そうした点を課題に感じているTikTokerも多いという。フリーで活動する人もいれば、事務所に所属して活動する人など形態はさまざま。そんな中でも「自分たちのクリエイティビティを発揮するためのリアルに活躍できる場所を」という願いは強く、今回のイベント開催につながる一つの動機となった。

「例えば、企業の商品をPRする仕事を得るためには、どんな活動をすればいいのか知らないクリエイターも大勢います。イベントに参加することで刺激を受けたり、コミュニティの中で情報を得たり、イベントを通じて経験値をつけてほしいという趣旨があります」。

SNSを通じて仕事を得る重要性

森さん自身、TikTokをはじめとするSNSを、本業である花屋の仕事につなげている。大学生のころ全くの未経験から花屋を起業した森さんは、他店舗展開やネット販売で着実に成長を続けていたが、ネット販売ならではの「より安く」というニーズから転換を図り、TikTokやInstagramなどのSNSを活用したプロモーションに力を入れるようになった。そして、今ではTikTokで10万人以上のフォロワーを集めるまでに成長し、森さんの動画を見た人からの注文は増え続けているという。まさにSNSの力を体感した一人だ。

「プロポーズ用の花束といった特別なシチュエーションで贈る花の製作工程を中心に、動画を配信しています。『あそこに頼んだら間違いない』と思ってもらえるブランドを作ろうと、SNSを活用するようになりました」と語る森さん。イベントを通じて、自身の経験で実感したSNSを仕事へとつなげる大切さについても伝え、クリエイターの刺激となるように考えているという。

SNSでモノを買う時代だからこそ

過去に類を見ない規模のTikTokイベントを開催するとなると、準備や運営面も一筋縄ではいかない。特に、運営資金の捻出は、ほかのイベントと同様に大きな悩みの種。そこで森さんたちが試みるのは、クラウドファンディングの活用だ。今ではよく見られるようになった手法だが、そこにもTikTokイベントならではの工夫を加える。森さんたちは、記念Tシャツの協賛購入に加え、参加するクリエイターによる制作物を購入する形の支援方法も設けるという。ファンにとって「ここでしか手に入らない」という付加価値を付けて、支援を募る考えだ。

また、イベント告知の方法も今の時代ならでは。参加するクリエイターたちは、フォロワー数が数十万人にも及ぶインフルエンサーも、参加するインフルエンサーの総フォロワー数は2000万人を超える。そんな人たちが直接フォロワーに向けてイベントへの参加やクラウドファンディングへの支援を呼びかけることも積極的に行う方針だ。森さん自身はこれらの取り組みを「実験的な試み」としているが、コミュニケーションツールとしてSNSが普及した現代だからこそ、絶大な効果を発揮する可能性が秘められている。4月22日の万博公園で、SNS時代の新しいイベントが産声をあげる。

 

一般社団法人Creator Agency 代表理事 森 俊弥 さん 1985年生まれ。関西大学在学中に生花店「MORIYA」を起業し、現在も吹田市(豊津町19-18)で営業する。2023年(公社)吹田青年会議所の第54代理事長に就任。

 

イベントなどでフラワーパフォーマンスを披露することもある森さん。
写真は京都府宇治市の黄檗宗萬福寺の献花装飾の様子。

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