この原稿を書いている今は大晦日である。2018年の1月1日から、現在2023年12月31日まで丸六年間、一日たりとも原稿を書くのを止めたことはない。謂わば2190連勤中である。いや、閏年もあったから2191連勤か。ともかくずっと書いている。
これは私の師と仰ぐ作家、北方謙三氏の「作家の技術は一日休めば三日後退する。幾ら疲れていても、たとえ少しであろうとも書かねばならない」との教えに拠るものだ。いや、もはや脅しだ。あるいは呪いだ。この有難いお言葉がずっと頭の中にこびりついており、風邪で高熱を発しても、溜息を漏らしながら原稿を書くのである。