「動くと息切れする」「足がむくむ」「夜に何度もトイレに起きる」。高齢者にありがちな症状ですが、実は心不全のサインと共通しています。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下している状態。血液を押し出す力が弱まると全身に血液が行き渡らず、けん怠感や手足の冷え、動悸などの症状が現れます。また、血液を取り込む力が低下すると各部で血流が停滞。下半身のほか肺や腸にも水がたまり、むくみや息苦しさ、咳、食欲不振などがみられるように。また、夜に横になることで腎臓の血流が回復し、たまっていた水分を排出しようとして夜間頻尿になることもあります。
初期のステージでは、「坂道を上ると息が切れる」など動作を行うことで症状が出ますが、進行すると立っていられないほど息苦しくなったり、呼吸困難で救急搬送されたりという患者さんもいます。息苦しいから、と動かないでいると要介護予備軍の「フレイル」状態に陥ってしまう危険性も。息切れや疲労感、食欲不振などを「年だから仕方ない」と放っておかず、気になる症状があれば早めに治療を行うことが大切です。