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-摂津市- 摂津に息づく古民家 コーヒーがつなぐ新たなコミュニティ

2026.09.05
ディレクターの福西恵理さんと、バリスタのスティーブさん

 

7月24日、摂津市に「FUKUNISHI ARTISAN CO.」(千里丘東4-5-5)がオープンした。オーストラリアやイタリアでバリスタ経験を積んだ福西さん夫妻が、メルボルン仕込みのスペシャルティコーヒーと自家製クロワッサンを提供する。築100年の古民家を改装した空間には、コーヒーを通じて人と人がつながる場になってほしいという願いが込められている。

古民家の良さは残しつつオープンな空間

イタリアでの経験がコーヒーの道につながる

FUKUNISHI ARTISAN CO.は、妻の恵理さんがディレクターを、夫のスティーブさんが焙煎を担当している。2人の出発点は、それぞれの海外経験にある。恵理さんは二十歳の頃、アルバイト先のイタリアンには、イタリアに行ったことのあるシェフが何人もいて、話を聞くうちにワクワクが止まらなくなったという。そして大学を休学し、イタリアで料理修行することを決意。イタリアで料理を学ぶうち、エスプレッソに興味をもったことが、コーヒーへの関心の始まりだった。修行を終えると、今度はコーヒーを学ぶため本場といわれるオーストラリア・メルボルンへ単身渡る。現地でバリスタとして働くうち、同じくバリスタとして修業を積んでいたスティーブさんと出会い、二人はやがて結婚する。

その後もイタリアに戻ってバリスタを続けた時期もあったが、コロナ禍を機に帰国した二人は、次第に自分たちの店を持つ構想を固めていった。「自分の好きなことをする生き方を、娘に背中で見せたい」。一歳を過ぎた娘の存在も、独立を後押しした一因だという。

生産者の思いなどコーヒーの裏側にある。ストーリーも教えてくれる。

わざわざ行きたいと思える場所に

物件を探すなかで出会ったのが、10年ほど空き家だったという築100年の古民家だった。摂津に縁があるわけでは無かったが、見た瞬間に一目惚れして即決したという。「立地の良い場所は他にもありましたが、わざわざ行きたいと思ってもらえる場所をつくりたかった」。メルボルンで通っていたコーヒー店の多くも、街の中心から離れた場所にあった。そんな経験があったからこそ、わざわざ足を延ばしたくなる場所をつくりたいという思いにつながっている。

浅煎りへのこだわりとクロワッサン

コンセプトはシンプルに、コーヒーとクロワッサンを味わってもらうこと。豆は、コロンビアの「ピンクブルボン」をはじめ、コーヒーの原種に近いとされる「イエメンの在来種」など、世界各地から厳選した希少な品種を扱う。焙煎を手がけるスティーブさんは「豆そのままの味を一番感じられるのは浅煎りだ」と考え、浅煎りのみを扱う。豆の外側と内側、そして周囲からの熱、さらに豆を回転させる速度という4つをコントロールしながら、「豆が自分自身で焼かれる力をサポートしてあげる」感覚で、なるべく温度を上下させず自然に仕上げることを心がけているという。

クロワッサンはフランス産の発酵バターと国産小麦を使い、折り込みの回数や水分量を何百通りも試作した。「メルボルンではコーヒーにクロワッサンは欠かせません。日本でもこの文化を楽しんでほしいですね」。

6種類のクロワッサンを販売

 

会話が楽しめる空間設計

テーブルや椅子はあえて一続きにし、自然に会話が生まれるよう設計している。オープンから間もないが、近隣住民と遠方から訪れる人が会話を楽しんでいる様子がみられる。「普段は喫茶店で深煎りのコーヒーを飲んでいらっしゃる年配の方も立ち寄ってくれるようになりました」と福西さんは語る。今後はアート展示やワークショップも予定しており、コーヒーを軸にした交流の場をさらに広げていく考えだ。

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