心理学者で子どものやり抜く力の研究を行う、ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授によれば、世界で活躍する人に共通してみられるのはIQの高さや運動神経、体格などの生まれ持った資質ではなく、最後まで粘り強く取り組む、やり抜く力だといわれています。どんなに素晴らしい才能があっても、最後までやり遂げることができなければ、当然結果はついてきません。やりぬく力は幼児期の育つ環境や周りの働きかけによって、培うことができると言われています。
「ここは楽しく安全な場所。自分はこの場の大切な一員」と感じられる環境で、やりぬく力は健やかに育ちます。親と子の信頼関係があるからこそ「頑張るぞ!」と自発的なやる気を持続させることができます。一方で関係を築くことよりも、「できる・できない」といった結果に焦点があてられがちです。子どもの思いや気持ちよりも、目標を達成させることを目指すアプローチでは、子どもの安心感は育ちにくく、自発的なやる気を持続することは難しいでしょう。