神戸三宮駅前「さんきたアモーレ広場」の新デザイン決定
2019.06.10
阪急三宮駅東口、JR三ノ宮駅西口の北側に位置する、パイ山、デコボコ広場の呼び方で親しまれた「さんきたアモーレ広場」の新デザインが決まった。
2021年春開業を予定し、神戸阪急ビル東館の建て替えが行われている三宮北西エリアは三宮駅周辺で最も再整備が進んでいる。このエリア内にあるさんきたアモーレ広場は、これまで待ち合わせや休憩場所として多くの人に利用されたが、再整備に伴い神戸の玄関口にふさわしく、より多くの人に愛される空間となるようにと新たなデザインを募集していた。
応募総数220作品のなかから新デザインに決まったのは、神戸出身の建築意匠設計士 津川恵理さんの『Lean on Nature』~自然に寄り添い助け合ってきた神戸の新しいシンボルとなるように~という作品。
大きさや形状を変えたいくつもの円盤型と周囲に配された木々の緑がマッチしたスタイリッシュなデザインとなっている。様々な方向へ傾斜のついた円盤はテーブルにベンチにと訪れる人が思い思いに使うことができる。夜は円盤の裏側から照明を当て、広場を照らすライトアップ効果も。「造形美が卓越しており、神戸にふさわしい先進的なデザイン」と選考でも高く評価された。
震災から20年以上が経過し、新たなステージを歩み始めた神戸市。人が自然に寄り添いながら大震災を乗り越え、今に至るという歴史を汲んだシンボリックなデザインには、阪神・淡路大震災を経験した津川さんの思いが反映されている。
市の担当者は「パイ山のように多くの人に愛される広場に、よりたくさんの人が集う居心地のいい広場になれば」と話す。今後はこのデザインを基に整備を進め2021年春の供用開始を予定している。
記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。