トライする気持ちを育む 個別カリキュラムのプログラミング教室/キノコード
2020年度から小学校で必修となったものの、依然として「何だかよく分からない」という人も多い「プログラミング言語」。プログラミング教育の必要性が指摘される中、「キノコード」は2014年に先駆けて開業。主に小学生から高校生まで100人前後の生徒が通う。
生徒の「やりたいこと」に合わせた個別カリキュラムで、プログラミング経験者の講師から、ゲームやロボット、ウェブサイトの作成などが学べる。無料体験授業も実施している。
「教科書通りに進むのではなく、子どもの発想を大事にしてくれる」。そう話すのは、小学1年生のときから通うMちゃんのお母さんOさん。「先生は、子どもの“これがしたい!”を持ってきてくれるだけで良いと言ってくれるんです。それを形にするのでって」。
自主性を大切にする学びのスタイルはMちゃんを大きく変えた。「いろんなものに対して自信をもつようになりました。それが学ぶ意欲につながって、学校や塾の勉強も自分で目標を立てて取り組むようになって。中学生になるのが楽しみです」。最近ではOさんが製作するジュエリーを紹介するためのウェブサイトも作ってくれたそう。将来は「誰もしたことがない仕事がしたい」と話しているとか。
「受け身ではクリエイティブな学びにはならない」との思いから、授業では、まず生徒自身が何を作りたいかを考え、それに応じて個別に学ぶ内容を決定する。「プリンターってどうやって動くの?」という疑問から、プリンターを制作した中学生も。「できる、できないは後の話。生徒さんと僕とでアイデアを出し合いながら形にしていきます」と朝倉先生は話す。
プログラミング言語は、信号機やエレベータなど生活に必要なさまざまなものに応用される。しかも、世界中で共通の言語が使われるので、学んでおけば活躍の場は世界に広がる。
生徒の自主性を育むため決まったカリキュラムはないが、本人が希望すれば「ジュニア・プログラミング検定」に向けた勉強をすることもできる。合格率は9割近くで、多くの生徒が一発合格するという。
プログラミングを学ぶことで身につくのは「失敗を恐れずトライしようとする精神」だと朝倉先生は考える。「“評価されること”が目的になると、失敗できなくなる。それが原因で、失敗に慣れてない子がすごく多い」。しかしプログラミングは「エラーの連続」。それを解決しながら思い描いたものを形にする中で「失敗の連続が成功につながるという感覚を身につけてほしい」と話している。