体の中からキレイを整える

からだの調子を整えて中から美しくなるインナービューティという言葉が近年注目されている。

インナービューティには、バランスのとれた食事に睡眠や運動、リラックスを取り入れるなど様々な方法がある。

時代の流れと共に、美に対する意識が高まっており、健康になる＝キレイになる、という考えが浸透しているという。

特に暮らしの中で気をつけたいのは「食事」。

今はコロナ禍で家にいる時間が増え、食生活が乱れている人も多いようだが、ちょっとしたことを意識するだけでもインナービューティに繋がるという。

そこで野菜ソムリエ協会のベジフルビューティーアドバイザーの木村通子先生に「食事」について話を聞いた。

人が食事をした際、最初に栄養がいくのは、脳や内臓など生きるために必要不可欠な器官。外見に影響する皮膚などは後回しになるため、まずは体を動かす原動力であるPFCバランスを整える必要がある。

PFCとはタンパク質（Protein）、脂肪（Fat）、炭水化物（Carbohydrate）の頭文字を取ったもの。人を車に例えるとボディーがタンパク質、脂質がオイル、炭水化物がガソリンだ。野菜や果物に多く含まれているビタミンやミネラル、また最近注目されているフィトケミカルは、より早く、燃費良く走らせる効果があるもの。つまり美しくなるには、PFCとその他の栄養バランスが大切だ。

野菜ソムリエプロベジフルビューティーアドバイザー
木村通子さん
約10年前からおもてなしとインナービューティの料理教室を開催している。企業が開催するイベント等にも講師として登壇し、インナービューティについて教えている。
野菜ソムリエ協会
http://vege-fru.com/

『ま・ご・わ・や・さ・し・い』の食材
ま　　まめ類
ご　　胡麻
わ　　わかめ（海藻）
や　　野菜
さ　　魚
し　　しいたけ（きのこ類）
い　　芋類

厚労省では、一日の食事で野菜を350g以上、そのうちニンジンやホウレンソウなど色の濃い緑黄色野菜について120g以上を推奨している。

「思春期前後の人は身体をつくる時期なのでPFCバランスに気を付けながら、あとは年齢問わず不足しがちなカルシウムと鉄を積極的に取ってください。鉄はビタミンCと組み合わせることで吸収が良くなります。熱に弱いので生野菜やレモンを絞るといいですね」と木村さん。

木村さんがぜひ覚えてほしいと話す“まごわやさしい”というワード。「頭7文字の食材を意識して摂るだけでもバランスの良い食事をすることができると言われています」。

最も大事なのは「楽しむこと」。数月後、数年後に効果が現れるので、「スロービューティー」とも言われる。

「ストイックになりすぎると辛くなるので、ストレスなくできることから始めましょう。お菓子を多めにつまんでしまったり、お酒を飲むことも悪いことではありません。食べすぎたら翌朝はご飯を減らして、野菜を増やしたり、サラダを付け加えるなど意識するといいですね」。また、何を食べているのかを振り返るだけでも変わるという。「いつも同じ野菜ばかり買っているから、今日は違うのにしてみようかな」など、新しい発見も見つかるかも。

日々の食事を基本に、その他のこともできれば取り入れたい。木村さんも、十分な睡眠にウォーキング、趣味のアロマなどをしているという。スロービューティーに焦りは禁物。毎日のことなので、「無理なく、楽しく、心地よく」、できることから始めよう。