
「失敗してもトライできる環境が大事」自主性育むプログラミング教室/KINOCODE(キノコード)
2020年度から小学校で必修となり注目を集めるプログラミング教育。21年度には中学校、22年度には高校にも拡充し、想像力や問題解決力の育成、IT化が進む社会に対応するスキルなどを身に付けていく。プログラミングは主にパソコンを使ってコンピュータに作業の指示を出すのだが、KINOCODE(キノコード)では講師が課題を決めるのではなく、「子どもの『これがしたい!』という思いを形にしていくこと」を第一にしている。キノコード代表・朝倉先生に話を聞いた。
キノコードは北摂エリアでは先駆けとなる2014年に開校。主に小学生から高校生まで100人前後の生徒が通うが、取り組む内容は一人ひとり異なる。「受け身ではクリエイティブな学びにはならない」との思いから、授業では、まず生徒自身が何を作りたいかを考え、それに応じて個別に学ぶ内容を決定。「プログラミングはあくまで手法です。技術を覚えることよりも『何をしたいか』をイメージすることが大切」と朝倉先生。興味・関心を持った子どもたちは、自らどんどん習得していくそう。


例えば、ある生徒は「数字を使わずに数を表現したい」という目標を立て、それを実現する装置作りに取り組んだ。漠然とした「やりたいこと」を形にするため、講師は作業のアドバイスはもちろん、想像力をかきたてる声掛けを行う。結果、ボタンを押すとビー玉がレーンに落ち、落ちた場所を見れば、何の数なのかわかるという装置を見事に完成させた。考案した生徒は当時、小学5年生だというから驚きだ。プログラミングは、信号機やエレベータなど生活に必要なさまざまなものに応用されている。共通の言語として英語が使われているのもポイント。「学んでおけば活躍の場は世界に広がる可能性も」と朝倉先生。
朝倉先生は、プログラミングを学ぶことで身につくのは「失敗を恐れずトライしようとする精神」だと話す。「“評価されること”が目的になると、失敗を恐れるようになる。それが原因で、今は失敗に慣れてない子がすごく多い。でも、プログラミングってエラーの連続なんですよね。それを自分の力で解決しながら、形にしていくことが大切なんです」と朝倉先生。失敗が続いても「完成させたい」「他の方法でトライしたい」と思えるほど、夢中になれる環境作りにキノコードは取り組んでいる。
