始まりは「もったいない精神」から
BEERGRAINZをはじめとしたアップサイクルフードを作るラパンは、1999年から吹田・関大前で営業している地元のベーカリーだ。添加物を使わず作るパンはどうしても長持ちせず、早朝焼きあげたものを夕方には廃棄せざるを得ない問題があった。「食べられるのにもったいない」とずっと感じていた久保さんは、そんな思いから、自家製パン粉を使った串カツ屋を2016年江坂で始めた。
さらに転機となったのが、渡米の機会を得たことだった。百貨店のニューヨークフェアを担当することになり、年に数回アメリカに渡っていた久保さん。現地で交流を深める中で、環境問題への高い意識を感じ、「自分たちも何かできないか」と考えるようになった。
そして考え付いたのが身近な食材である「おから」の活用だった。もともと豆腐やおからが好きでよく料理に使っていた久保さんだけに、一部のおからが廃棄されている現状もよく知っていて、おからを使った「OKARADA」の誕生へとつながった。「豆腐の製造過程で生まれる副産物のおからも、モルトの搾りかすに負けず劣らず栄養豊富。食物繊維とたんぱく質が豊富でさらに低糖質なんです」。