コンビニに買い出しに行こうとホテルを出た瞬間、「うわぁ!」と、30代くらいの男性が声を上げる。私の著書をいかに読んでいるかを熱く語ってくれ、申し訳なさそうにサインを頼んでこられた。他にもカフェにいると、「今村先生ですか?」と声を掛けて下さる男性。こちらは40歳前後か。一緒に写真を撮った。あまり他の地域でこのようなことが無いので驚いたが、実は地元の書店さんが長らく私を推して下さっていて、それで一定数の読者がいるらしいことが判った。
夕食をとるために訪れた寿司屋の大将もそうだった。女将さんと二人でやっておられるこじんまりとした店である。最初は女将さんが「もしかして作家の先生?」と、尋ねてきた。そうだと答えると、板場の大将に向けて「やっぱりそうだって」と声を掛ける。大将は新聞を隅々まで目を通すので、私の顔に見覚えがあったらしい。