どうやってそれほど読んで来たのかと尋ねられることがよくあります。私は京都府南部の木津川市の出身ですが、16歳から相楽郡の精華町というところに引っ越しました。近鉄京都線高の原駅のそばと言ったほうが地理的に判りやすい人もいるかもしれません。
中学受験をし、奈良の中高一貫校にそこから通っていました。高の原駅まで徒歩約30分、高の原駅から近鉄奈良駅まで乗り換えなども含めれば30分近く掛かることもあります。さらにそこから徒歩30分で学校です。
電車の中ではいつも本を読んでいました。集中し過ぎて乗り過ごしたこともあります。物語のラスト数ページに差し掛かっていたため、「ここはどうしても一気に読みたい」と、ホームのベンチに腰を下ろして遅刻しかけたこともあります。いや、正直なところ遅刻したこともあったと思います。