一度は聞いたことがある方がほとんどだろう。『平家物語』の冒頭である。何故、聞き覚えがあるかというと、平家物語は学校の授業で一度は学ぶからだ。ちなみに私の中学校には、前述の冒頭を丸暗記し、20秒だったか、30秒だったか以内に読み上げるという試験があった。制限時間をオーバーしたら失格。噛んだら最初からやり直し。しかしやり直しは一度まで。二度目の失敗をすれば失格、再挑戦は無し。一カ月くらいの期間内に、いつでもよいので本人が「いける!」と、思った時に挑戦すべし。
今思えばなんちゅう試験やとも思うが、案外これが盛り上がった。制限時間内に読み上げるのは当然なのだが、速ければそのタイムを張り出すといった趣向があったからだ。もっとも幾ら速くとも、成績に反映されることはない。完全に自己満足の世界なのだが、中学生はこのようなことでも必死になるものだ。