朝顔は、江戸時代には凄まじいブームを巻き起こしていた。あちらこちらで栽培され、変わったもの、今風に言えばレア物は高値で取引きされるといった状態だ。
幕末にはその種類は優に1000を超えていたというから、いかに流行していたかお解り頂けるだろう。
そのレア物は如何にして生み出されていたか。品種改良といっても当時は遺伝子研究など夢のような話で、とにかく大量に栽培して偶然を引き出すしかない。100株栽培しても変異が現れないことなどは当たり前で、とにかく辛抱強く栽培が行われたらしい。
花弁の数や形が変わったものなどが重宝され、中でも特に重要視されたのは「色」である。原種は青色の花を咲かせるのだが、江戸の人々は変わった色の朝顔を生み出そうと試行錯誤を繰り返した。