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吾翔けるvol.23 -“小説家”という職業の醍醐味-

私は歴史・時代小説家の肩書を名乗っている。「歴史と時代は一緒ではないか?」と、思われる方も多いだろう。私もまあ、同じでもええと思う一人ではあるのだが、厳密には違うことになっている。

この連載で触れたこともあるが、大まかに言うと、史実をもとに創作されたのが歴史小説。時代背景だけを借りて創作されたのが時代小説。前者が「大河ドラマ」で、後者が「水戸黄門」だ。とはいえ、歴史小説でもフィクション性が高いものもあれば、時代小説にも史実の人物が登場する作品があるなど、実際にはその区分は曖昧だと言わざるを得ない。