地域情報紙「City Life」が発信する地域密着のニュースサイト
地域から選ぶ
ジャンルから選ぶ
PICK UP
TOP > 小学生の学年別、学年別学習ポイントを教えます > 小学生の学年別、学年別学習ポイントを教えます
中学生になって勉強で詰まる子に育てたいと思う親はいないと思います。しかし、中学生で通用しない勉強をしてしまっているお子さんが、かなりの割合でいるそうです。鍵となるのは「文章読解力」。め塾の長島先生に話を聞きました。
め塾 長島 宏明さん 三重大学卒。大学生時代から家庭教師のアルバイトを勤め、独自の学習ノウハウを研究・実践するなかで1997年、茨木市に学習塾を開校。小中学生を対象に、苦手克服や先取り学習の個別指導に加え、学ぶ姿勢を育むことにも注力している。
[小学1~2年生] 国語:漢字の訓読みをしっかりと覚えさせて意味を理解させる 文章読解できない子は、文章の意味がわかっていません。漢字が読めないと文章の意味がわからないのは当然ですが、「上下左右」を「じょうげさゆう」と読めなくても「うえしたひだりみぎ」と読めたら意味はわかります。 国語に限ったことではないですが、この時期の子どもは、例えば漢字がよく覚えられたら「すごく漢字をたくさん知っているね!」などとほめてあげるとどんどん漢字を覚えようとします。ここでのポイントは少しでも根拠を作ることです。「少し漢字を覚えるのを頑張らせて全部覚えたらほめる」「テストで10点を取ったらほめる」などです。そうすると、もっとほめられようと漢字を覚えるのを頑張り、周りの人たちよりも漢字ができるようになり、自信が生まれます。「自分は漢字が得意」という自我ができて、自ら漢字を覚えるようになるでしょう。
[小学1~2年生] 算数:足し算引き算の練習はしっかりさせる 例えば、7+8=15の計算の場合、最初は指を折りながらでも計算しますが、何度も計算を繰り返し、7+8=15を覚えてしまうくらいに練習をすることが大切です。何度も繰り返して浴びるように計算をさせて自然に答えを覚えてしまうことが大切です。最初からたくさん計算をする練習をさせておくと、「計算練習はこれくらいするもの」という考えがスタンダードになります。 あと、九九は言えるようになるのは当たり前なのですが、言うスピードがとてもとても大切です。算数が苦手な子は100%計算が遅いです。「20秒で言わせる」とかそう言う練習が効果的です。お母さんが言える秒数の2倍が目安ですが、最初は3倍でもいいでしょう。
[小学3~4年生] 国語:主語や述語が自然にわかるように 実は小学校1,2年生の国語で「主語」と「述語」の概念は習っています。主語とか述語という言葉は習ってないと思うのですが、主語は「なにが」述語は「どうする」といった具合に習っているんです。学校ではサラッと流す程度にしか教わらないと思うのですが、その後に出てくる文章で「どれが主語なのかな?」と考えるクセをつけると良いです。 高学年や中学生でも文章読解力のない子はほぼ100%主語がどれかわかっていません。社会や理科の問題文でも主語がわからないと、問題で何を聞かれているのかがわからなくなってしまいます。何を聞かれているのかがわからないと、当然答えも何を書いているのかもわかりません。中学生でこの状況の生徒を指導するのは非常に厳しいです。小学生のうちに主語が見抜けるようになっておくべきです。
[小学3~4年生] 算数:計算を徹底的に練習させる この段階では徹底的に計算の練習をさせるべきです。この時期にしっかりと計算の練習を積んできた子とそうでない子は、高学年や中学生になって顕著に差が出てきます。答えを覚えるくらいしっかり練習した子はその後も計算ミスしにくい頭になっていきます。 イメージの練習も大切です。例えば72-48を暗算でやりなさい、というと筆算を思い浮かべて解く生徒がほとんどです。でも実は、お金で考えさせるととても簡単なんです。 「72円持ってて48円支払うならお店にいくら渡す?」と聞くと、ほとんどの子が「50円渡す」と言います。手元にあるお金は?と聞くと「22円」と答えます。お店からもらうお釣りは?と聞くと「2円」と答えます。手元の22円にお釣りの2円を足したら?と聞くとほぼ全員が「24円」と答えます。これはお金でイメージさせただけです。計算能力はすでに持ち合わせています。このイメージする力はとても大切で、数学や理科の難しい問題では状況をイメージすると解ける問題が数多くあります。
[小学5~6年生] 国語:語彙力を増やす 国語が苦手な生徒は語彙力が少ない子が多いです。語彙力と頭の良さには密接な関係があります。科学的なデータは出てないのかもしれませんが、長年色んな生徒を教えてきて知ってる語彙数が多い生徒は頭が良く、テストの点数も高いです。逆に言えば語彙力を上げれば成績も上がるということです。 では、どうやって語彙力を上げるか?語彙だけを英単語のように覚えさせてもあまり効果がありません。やはり読書で語彙を覚えていくのが一番定着率が高いと思います。だからと言って無理やり本を読ませても効果はないです。なので最初はマンガでも良いので読ませて何かを読むことに慣れていくのが大切です。語彙力がついてくればつぎは文章読解力をつける練習です。 やはり日常的に文章を読ませることがいちばんの練習になります。朝日新聞の「天声人語」ですと603文字しかないので毎日でも読みやすいと思います。読めば知らない単語も出てくるでしょうし、世の中の情勢のこともわかってくると思います。
[小学5~6年生] 算数:分数の計算 分数の足し算引き算、分数の掛け算割り算ができなければ中学の数学は壊滅状態です。1/2と1/3なら分母が小さい方が大きいから1/2が大きいという理解より、お誕生日ケーキ(ホールケーキ)を2人で分けたら1/2で3人で分けたら1/3。1/3は食べられるけど、1/2は食べきれない・・・みたいなイメージ付きの概念としての分数の理解をしておくと中1の時に楽です。 ○簡単な数字に置き換えて考える 例えば28平方メートルの壁にペンキを塗ると3分の2時間かかるペンキ職人がいます。このペンキ職人が1時間でペンキを塗れる面積は何平方メートルでしょう?という問題があったとします。 28÷2/3をするのか、2/3÷28をするのか悩む生徒は多いです。賢い生徒は10平方メートルを2時間かかったなら1時間で5平方メートルだな、10÷2ってことか。じゃ、28÷3分の2で計算だなって考えます。これも大きい括りで言うところのイメージする力です。こう言う思考をできるように育ててあげたいですね。キーワードは「イメージ」です。