「認知症」とは、もの忘れ(認知機能障害)などの認知機能の低下によって日常生活に支障をきたす状態です。代表的な病気はアルツハイマー病で、65歳以降の高齢者の方に多く発症し、「昨日何をしたか」といった最近体験したことの記憶(エピソード記憶)が抜け落ちてしまうのが一つの特徴です。
初期には、「今まで使えていた電化製品が使えなくなった」、「億劫になり、やる気がでない」などの症状がみられます。ご本人には自覚がない場合もあるので、ご家族や周りの方が違和感に気付いたら、早めに認知症(もの忘れ)外来や脳神経内科の受診を勧めましょう。早期から生活改善などの治療をスタートすることで、症状の進行を抑えられる可能性があります。
認知症にはアルツハイマー病以外にも病気があるため『認知症外来』ではもの忘れの原因が何か考えることから始まり診断により治療の方向性、薬物療法の適格性について説明します。『精神科』と連携してイライラ、不安、抑うつといった認知症の周辺症状に対して薬物治療を行うこともあります。もの忘れが軽度なため薬物療法の対象ではない方は『認知症予防・初期もの忘れ外来』にて生活指導、運動指導などを受けていただくこともあり、当院ではもの忘れの病期によってさまざまなアプローチが可能です。