昨今、葬儀を行わず、亡くなるとそのまま斎場にて茶毘に伏すという方が増えてきている。その理由は「経済的、時間的な事情」がほとんどだという。
「これらは一部で『直葬』と呼ばれています。しかし残されたご遺族の中には、きちんと送ってあげたかった…と心残りに思う方も多いようです」と話すのは、神峯山寺内嶺峰院執事長の宮本さん。数年前より、できるだけ費用と労力をかけずに葬儀を執り行う「家族葬」という言葉が一般的になっているが、亡くなった方の弔い方はさらに変化し、この「直葬」と呼ばれるケースが増え始めている。「そこで、時間・費用をかけずシンプルかつ正式に弔いたいというご遺族の気持ちに寄り添った、新しい葬儀のスタイルとして嶺峰院では遺骨で葬儀を行う「遺骨葬」というものをご提案しています。これは、亡くなった方の遺体で葬儀をして斎場で火葬をするのではなく、先に斎場で遺骨となられたものをお寺で弔うという方法です。ご遺族の手によって持参された遺骨は、嶺峰院にて僧侶が従来と全く同じ作法で葬儀法要を執り行います」と宮本執事長。これなら、遺族にかかる時間的・経済的な負担は大幅に軽減される。しかも葬儀法要は正式な形で執り行われるので、心残りなく故人を送ることができそうだ。
【自ら生前予約をされている方も】
驚いたのが、この「遺骨葬」について問合せをされる方の多くが家族ではなくご本人だという。「葬儀社に依頼して行う仰々しい式は必要ないし、家族に負担もかけたくない。と仰られる方がたくさんいらっしゃいます。ご自身で自分の終活をきちんと準備されることで、心のゆとりと安心が生まれるようです」と宮本執事長。興味を持たれた方は一度、問い合わせてみては。