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茨木商工会議所 独自のマッチングサイトで事業承継を手助け

2021.01.07

苦労して育んだ事業をどう次世代に継承していくか――。地域に根付いた中小企業や個人事業主にとって、「事業承継」が大きな課題となっている。「後継者がいない」との理由で廃業に追い込まれる例も少なくない。国は2017年に「事業承継5カ年計画」を策定し、本格的な承継支援を始めたが、北摂地域でこの問題に力を入れてきたのが、茨木市の茨木商工会議所だ。今年5月には、事業を譲りたい人、受け継ぎたい人をつなぐ「茨木スモールM&A マッチングサイト」を立ち上げた。

中小企業庁の資料によると、年間4万以上の企業が休廃業・解散しているが、以上約6割以上が黒字企業。一方で25年までに70歳を超える中小企業経営者245万人のうち127万人が後継者未定としており、後継者問題で好業績の企業であっても存続できなくなる現状がうかがえる。さらに承継には株をはじめ資産の引き継ぎや税制面などで複雑な課題が立ちはだかる。
茨木商工会議所が2017年に実施したアンケート調査でも、事業承継計画についての回答109件のうち、「すでに後継者を決めて事業承継をすすめている」は30.3%にとどまり、「自分の代で廃業・清算を検討している」は22.9%あった。

同所は2009年にこの問題への取り組みを始めた。茨木市とも連携し、個別の相談に応じるほか、セミナーや座談会を開き、早期に承継を考える重要性を訴えてきた。その中で、家族経営の店を息子に引き継いだり、従業員に事業を継がせたりするなどの案件に携わってきた。親子の承継でも、金融機関が「融資は親個人へのもの」と難色を示すなど思わぬ問題も起きるという。
5月に立ち上げたサイトの「M&A」は合併と買収の略で、スモールがつくように小規模の事業を譲りたい人、譲り受けたい人を結びつけるサイトだ。サイト内にはそれぞれの人が相談を申し込む窓口がある。相談があれば専門家がアドバイスしながら両者をつなぐ。

同所の笹井直木理事によると、現在までのサイトからの相談は、譲り受けたい人が6件。小売店の事業を受け継ぎたい人 や福祉事業を吸収合併したいなどの人たちだ。一方、事業を譲りたい人の相談はまだない。笹井さんらは譲り受けたい人に対応する相手探しの検討を重ねている。
笹井さんは「脱サラで起業したい、副業で店などを持ちたいという人は結構いると考えている。事業者の方はいつまでも元気だと思っているのかもしれないが、承継の必要に迫られてからでは遅すぎることが多い。承継は簡単ではない。なるべく早く考えてほしい」と話す。

茨木商工会議所理事の笹井直木さん

茨木商工会議所(072‐622-6631)は2月2日午後2時から、立命館大学大阪いばらきキャンパス内の同所で、「事業承継セミナー&座談会」を開く。事業者対象。同所のホームページなどで申し込む。参加無料。

茨木スモールM&Aマッチングサイト

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