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茨木の保育園「下穂積キッズ」の新園舎が完成

2021.01.07

社会福祉法人 耀き福祉会が運営する茨木市の認可保育園「下穂積キッズ」は、元茨木市立下穂積保育所の民営化に伴い、2014(平成26)年1月から同保育所より引き継いで保育事業を実施。そして旧園舎の老朽化により、新たに新園舎を建築することになり、2020(令和2)年10月に完成した。

中庭

設計は数多くの幼稚園や保育園、学校施設を手がける、日比野設計 幼児の城(https://e-ensha.com/)に依頼。中谷敬子園長が思い描いた「美術館のような大きなおうち」というコンセプトどおりの空間になっている。

現在、旧園舎の取り壊しにより、園庭が使えない状態になっているが、木材のチップが敷き詰められた中庭が子どもたちの遊び場になっているほか、ホールに多彩な運動用具を揃えて子どもたちがのびのびと遊べる空間も提供している。

廊下には隠れ家のようなスペース(DEN)がある。中には本があり、自由に出入り可能。

館内は木をふんだんに使い、色合いもシックな木目、ブラウン、白といったナチュラルな空間になっている。「色は子どもたちがそれぞれ持っているので、あえてシンプルなインテリアにしました」と中谷園長。

中庭に面した食堂も、子どもたちの目線に合わせたところに窓があったり、吹き抜けの上はアスレチックネットになっていたり、と遊び心がいっぱい。食事の時間も決められた枠内で、子どもたちが自身で選ぶスタイルにして、自主性を育んでいる。


給食室では、毎日栄養バランスを考えた給食が作られ、メニューも確認することができる。実際に作っている雰囲気を子どもたちが感じとることができる環境は、食育の面でも好影響がありそうだ。

そして3Fのテラスにはプールがあり、夏には子どもたちがここで水遊びを楽しむ予定。現在取り壊し中の旧園舎が無くなると、園庭も完成する(2021年5月頃)ので、ますます魅力的な空間になるはずだ。

 

また、教室に置かれている本棚やベンチなどは同市の地酒のにしじま・西島直邦さんが趣味で作っている木工品。中谷園長が近くの和菓子屋にあった西島さんの作品に惚れ込み、依頼をしたことがきっかけだったそう。「温かみのある作品で、子どもたちもとても気に入っています」と中谷園長。

園庭が完成する今年5月には、子どもたちが外で元気に走り回る姿をとても楽しみにしている中谷園長。「この空間のなか子どもたちが自分で考え、様々なことを発見して想像力豊かな時間を過ごせるように、私たちもサポートしていきたいです。そして大人になった時に空間も含めて、楽しい保育園だったなぁといつまでも子どもたちの心に残ってほしいと願っています」。

下穂積キッズ 園長/社会福祉法人耀き福祉会 理事長の中谷敬子さん
保育士や外資系の会社で人材教育を担当し、結婚・出産後も自分らしい生き方を求め、子育ての合間をぬってコミュニケーション学を学ぶ。吹田市内で保育施設「ハッピータイム」を運営後、2012年に「社会福祉法人 耀き福祉会」を設立。子どもの心を大切に(心・体・知・食)を通して、自分らしく生きる力を育て、幸せな自立を目指している。

 

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