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【SDGs】木の実由来のコットンを使用 持続可能なアパレルブランド「カポックノット」

2021.03.23

インドネシアの「カポック」という木の実から採れる綿を用い、ダウンコートやチェスターコートなどを展開するファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」。代表の深井喜翔さんは、子どもの頃に参加していたNPOで、世界平和について学ぶなど活動を通じ、SDGsが世間に認知される前から「サスティナブル ディベロップメント(持続可能な開発)」に関心を抱いていた。

深井喜翔さんプロフィール

 

吹田市の老舗アパレル企業「双葉商事」4代目で「カポックノット」代表。業界の「大量生産・大量廃棄」に疑問を抱いたことをきっかけに、カポックノットを設立。2018年末に活動をスタートし、2019年にブランドデビュー。昨年実施したクラウドファンディングがメディアでも話題に

 

―サスティナブルブランドの誕生

実家がアパレルメーカーの深井さん。ファストファッションの台頭によって引き起こされた“大量生産・大量廃棄”に疑問を抱いていた。人件費を抑えようと各メーカーは海外生産を行っていたが、人件費は世界的に年々上昇。「このままモノづくりを続けるのは難しい。循環型の“サスティナブルブランド”で世界を変えたい」と立ち上がった。

現地農園視察の様子。ブランドとして「Farm to Fashion(ファーム・トゥ・ファッション)」を掲げ、原料調達から商品が消費者に届くまでのプロセスを大切にしているという

―カポックノットの取り組み

カポックノットでは「生産者」「環境資源」「消費者」の3つで課題を設定する。「SDGsで生産者や環境資源についてはよく取り上げられますが、消費者は置いてけぼりになりがちです。『環境に優しいから、値段が高いのは仕方ない』『機能的に良いと言えなくても仕方ない』では何も変わらない」

目標12「つくる責任つかう責任」 毎年、実をつける植物由来の「カポック」を使用することで環境への負荷を低減

 

目標13「気候変動に具体的な対策を」 高機能かつ付加価値のある商品を提供することで大量生産・大量廃棄に歯止めをかけ、廃棄の際に発生する二酸化炭素を抑える

 

そこでカポックの木の実から採れる「カポックコットン」に注目。従来のコットンより軽く、冬は保温・夏は通気性の良い高機能な素材だ。木の実由来のため木の伐採もなく、動物の毛皮や羽毛を使わないため、環境保全にもつながる。

クラウドファンディングを実施すると多くのメディアでも取り上げられ、国内企業と共同開発によってカポックをシート状の繊維にすることに成功。製品化にこぎつけた。家業からブランドを開始したが、「小さくやっていても世界は変わらない」と会社を設立。現地農園の収穫から加工、製品化まで独自のサプライチェーンを構築し、売上の一部を植樹活動にも充てる。ブランドコンセプトを体現しながら、ほかのアパレルブランドへの素材提供も視野に入れている。

カポックの実と綿。カポックの需要が増えるほど、東南アジアでの雇用創出や緑化、さらには森林保全の好循環が生まれる

―商品を通じて
「参加コスト」を下げたい

深井さんは、消費者に商品の良さを知ってもらった上で「サスティナブルへの“参加コスト”を下げたい」と考える。店舗出店を機に「『ダウンのために羽毛を取られる鳥がかわいそう』と思っていたけれど、どうしていいか分からなかった」というお客さんにも出会うなど、手ごたえを感じている。3月中旬には海外でのクラウドファンディングを開始。世界展開を見据えて動き出す。その一方で「家業が地元でお世話になっているので、いつかイベントをしたい」とも語る深井さん。今後、吹田での試着会開催などもあるかもしれない。

商品はオンラインショップで購入可。深井さんの友人からは「想いのこもった商品を身にまとうだけで、精神的に豊かになれる。それが社会的に良いものなら、もっといいよね」という言葉も聞かれたとか

 

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