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豊中や西宮に設置されている花粉観測システム「はなこさん」ってなに?

2021.03.31

今年も花粉症の方にはツライ季節がやってきました。毎日のようにニュースで花粉情報が流れており、家を出る前に憂うつになる人もいるのではないでしょうか。

その花粉の観測システムが北摂では唯一、豊中市役所第一庁舎にあり、阪神だと兵庫県環境研究センター(神戸市須磨区)、北山緑化植物園(西宮市都市整備公社)にあります。その名も「環境省花粉観測システム」で愛称は「はなこさん」。分かりやすい名前ですね。

環境省HP「環境省花粉観測システムはなこさん」観測地点のスクリーンショット(3月30日、以下同じ)

全国ではスギ花粉の少ない沖縄を除く120か所に測定局が設置され、大阪府は3か所、兵庫県は4か所あります。

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花粉の計測は「固定式の採取器で1日1回花粉を採取し、顕微鏡を用いて花粉数を数えるダーラム法」が用いられてきましたが、花粉自動計測器が開発されると、リアルタイムで花粉の飛散状況が計測できるようになりました。

豊中市役所第一庁舎の花粉計測結果の時系列グラフ

計測のための自動装置のしくみは、「内蔵された吸引ポンプで大気を吸引してレーザー光を照射すると花粉などの粒子で光が散乱するので、その散乱光の量から粒子の大きさを判別し、散乱光の数から粒子の数を求めるものです」とのこと。
花粉自動計測器による結果と一緒に、アメダスやレーダーの結果も表示する「はなこさん」は2002年から導入されました。

豊中市役所第一庁舎の花粉計測結果やアメダス、レーダーの結果

環境省の公式サイトで、1時間に1回情報が更新されています。

※この記事を作成中、3月30日にサイトがリニューアル。さらに見やすくなっていました。

地図上で記されている測定局のポイントをクリックしてページに飛ぶと、詳細な花粉情報が表や時系列グラフで表示されていて一目瞭然。

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同サイトの「花粉ライブラリ」ページでは、「ダーラム法」の詳細説明や過去データも閲覧、ダウンロードすることができます。ダウンロードできるデータを見ると、2003(平成15)年は関東地方のみ、翌年2004(平成16)年から関西地方、翌年から中部地方…と少しずつ地域が広がっていることが分かります。情報が豊富なので、夏休みの自由研究などにも使えそうです。

ちなみに、環境省のホームページでははなこさん以外にも「大気汚染物質広域監視システム」、愛称・そらまめくんもありました(”空をマメにみる”ということでしょうか)。大気汚染測定結果光化学オキシダント注意報・警報発令情報の1週間のデータのほか、黄砂の飛来情報、PM2.5について海外のモニタリングデータも見ることができます。

環境省HP「大気汚染物質広域監視システム」トップページのスクリーンショット

普段、ニュースで見るデータや数字について、これだけ詳細な情報が一般公開されていることに驚きです。たまにのぞいてみると面白いかもしれませんね!

出典:環境省ホームページ 環境省花粉観測システムはなこさん(リンク)大気汚染物質広域監視システム(リンク)花粉症環境保健マニュアル2019(リンク)

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。