地域情報紙「City Life」が発信する地域密着のニュースサイト

俳句コーナーVOL.22 2021年7月入選作品を紹介!

2021.07.06

5月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

● ● ●

【 優秀賞 】

薫風や折鶴ひとつ飛ばそうか

豊中市 小倉 佳子
夏の初めの爽やかな風。そんな風に出合うと何かをしたくなります。作者は飛ぶことなど無い折鶴を飛ばそうと思った。きっと折紙の鶴も気持ちよく初夏の風の中を飛んでゆくことでしょう。

 

【 入 選 】

初夏の光に重さ生まれけり

箕面市 高橋 真美
光に重さが生まれたという把握が秀逸です。季語がよく生かされています。

春愁や小さき文字の説明書

吹田市 秋山  寛
上五を切れ字の「や」にすれば最後は名詞で止める。この基本が大切です。

けんけんぱ風死してなほけんけんぱ

茨木市 廣田 静子
「風死す」が夏の季語。風が無くなって暑くなっても遊びは続きます。

鰺青し兵隊のごと整列する

茨木市 山﨑登代子
魚屋でしょうか。糶場でしょうか。比喩がたいへん面白い。

花菖蒲ながめて龍馬脱藩す

豊中市 小倉 佳子
菖蒲の花から想像しました。このような事柄は季語がすべてです。

 

【 佳 作 】

夫のつく小さな嘘やわさび漬け

茨木市 廣田 静子

参道に蕊直立し落椿

豊中市 田村由紀子

目覚ましの遠きに鳴りて今朝の秋

豊中市 安藤 知明

新緑や鳥の影まで閉じ込めり

吹田市 福井 久美

薄暑光へろりと落ちるフリスビー

箕面市 高橋 真美

 ◆ つぶやき評 ◆ 
例えば雨蛙を見ます。どんな色、どこにいるのか、脚や喉はどのように動くのかなどを細かく見て五七五の言葉にしていきます。ところが、何の動きもない。困ってしまいます。これがチャンス。動かない雨蛙を詠うのです。

 

● ● ●

 

〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

● ● ●

 

【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

● ● ●

 

山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。