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夏期講習で成績アップをめざすための学習法

2021.07.03

もうすぐ夏休み。塾では夏期講習が始まります。夏休みの間に、苦手な科目や単元の克服をして、成績アップをめざしたいところ。塾ソムリエの西村則康さんに、小中高生の夏期講習を最大限に活用する学習法について教えていただきました。

 

どこに力を入れて勉強をするべきか

塾によって多少の差異はありますが、夏期講習は1学期に習った内容を基礎として積み上げていく単元が多いものです。ただ、勉強する量も多いので、頭の中の引き出しが散らかったままだと、せっかく受けても効果を出すことが難しくなります。

そこで点数アップにつながる行動のひとつである「取捨選択の意識を持つ」ことをまずは心がけてみましょう。取捨選択の意識を持つために効果的なのが、【○△×学習法】です。これは塾の授業中にお子さん自らに取り組んでもらう方法です。一問ずつ先生の説明が終わったら、「これと同じ問題が出ても、間違えずに正解を出すことができるか?」と自問自答をします。「絶対、正解できる」と自信が持てるなら○を、「だいたいわかるけど、ちょっと不安かな…」という問題には△を、「さっぱりわからない」ものには×を付けていくようにやってみてください。

そして塾から家に帰ったら、出された宿題をやる前に、まず△をつけた問題だけを一生懸命復習するようにしましょう。すると学習の量を絞る(取捨選択)ことができ、効率的に弱点を克服できるため、すぐにテストの点が上がります。

 

過去のテストの振り返りを

もうひとつ、効果的な学習法として「過去のテストの振り返り」があります。どのお子さんもテストを受ける前にはがんばって勉強をしますが、テストが返ってきても点数だけを見てそのまま、という子が約半数います。では、間違えた箇所を全部復習する必要があるのかというと、100点答案をつくる必要はありません。

100から子どもの偏差値を引いた数の(%)以上の正答率で間違った問題だけを復習するようにしましょう。たとえば偏差値が57ならば、正答率43%以上の問題で間違ったのなら、その問題をしっかりと復習します。この「過去のテストの振り返り」と先述の「○△×学習法」をぜひ夏期講習時に取り入れてみてください。

 

夏期講習の重要単元を見抜こう

もうひとつ、夏期講習で点数を上げる方法としてやっておきたいのが、カリキュラムから重要単元を見抜くことです。カリキュラム表は申し込み時に渡されたり、webサイトで公開している塾もあるので、早めにチェックしておきましょう。そして「この単元が重要だな、この単元が苦手になりそうだな」ということを見抜いておきましょう。苦手になりそうな単元は、あらかじめ予習しておくのがいいのか、その単元に必要な基礎事項を復習しておくのがいいのかを考えることも重要です。

前もって塾の先生に相談にしてみるのもおすすめです。有意義な夏期講習にするために参考にしてください。

 

塾ソムリエ:西村 則康さん

日本初の「塾ソムリエ」として活躍中。40年以上中・高校受験指導一筋に行う。コーチングの手法を取り入れ、親を巻き込んで子どもが心底やる気になる付加価値の高い指導が評判である。

著 / 西村 則康
定価 / 1,595円
発行 / 2021年2月
出版  / アスコム
Amazon,楽天ブックスなどで購入可

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。