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安威川ダム 来年2022年に完成を目指す

2021.08.10

安威川は亀岡市から神崎川に合流する地点まで、面積約163㎢、河川延長約32㎞の北摂最大の河川だ。1967年の北摂豪雨災害からダム構想が立案され、2022年にはダム本体が完成する予定。
北摂豪雨災害が契機に治水計画が立案
安威川流域は、古くから水害の多い地域である。1967年7月に北摂地域を襲った豪雨では、安威川を含む複数の河川堤防が12箇所で決壊し茨木・摂津の約1/3が浸水した。61名が死傷、約2万5千戸の家屋が浸水する災害となった。
安威川は、京都府亀岡を源に茨木、高槻、摂津、吹田、大阪を経て神崎川に合流する北摂最大の河川。流域周辺に市街地が形成され人口が密集している上、近畿自動車道や東海道新幹線などの大動脈を横断しているため、河川が氾濫すれば都市インフラが分断されてしまう。被害総額は約1兆5,500億円と推定される。
そこで北摂豪雨を機に、茨木・高槻・摂津・吹田・大阪の5市が河川整備を要望し、大阪府が主体となり、安威川ダム建設を立案した。地元理解、協力を得ながら計画調査や付替道路の建設等を経て、2014年にダム本体工事に着手。2022年の完成を目指して事業を進めている。
安威川ダム周辺の利活用
安威川ダムは街に近く、茨木市の市街地から山間部に少し入った位置にある。名神・新名神のインターからも近く人が訪れやすいため、ダム建設に伴い、ダムの見学はもちろん、豊かな自然と調和するスポーツ、レ クリエーション施設の整備が計画されている。治水目的のダムとしてだけではなく、山間部と市街地を結び、人が集いにぎわう観光名所としての新たな価値の創出が期待されている。

[ ゾーニング図 ]

水と緑に囲まれた豊かな自然を活かして、民間のバンジーなどのアクティビティ機能を備えた吊り橋をはじめ、飲食・物販店が建設される予定。また公共施設として、ボードデッキや広場、園路などの公園施設も計画もされ、自然と共生したアクティビティ施設は、新たな観光スポットとしても期待されている。施設オープンは2023年を目指す。

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