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一度は訪れたい 北摂の老舗グルメ店

2021.09.06

歴史ある場所には、流行に左右されることなく地元に根付く名店がある。

その土地を愛し、代々受け継いできた食へのこだわりと想いは、味のみならず歴史や文化をも感じさせてくれる。

吾妻の「ささめうどん」750円。文豪・谷崎潤一郎の妻である松子が来店時に注文したことから、「細雪」にちなんで名づけられた。つるっとした細麺とあんかけのつゆが絶妙に合う。

幕末・元治元(1864)年創業。大阪で最も古いと言われているうどん「吾妻(あづま)」は、現在6代目店主が切り盛りしている。一貫して細麺を使いレシピも不変。先代から教わった美味しさの秘訣をベースに、現店主が考案した「冷やしささめきつね」などの人気メニューも生み出す。

 

山崎屋昆布店の「かつお節」280円~。店にある機械で削られるかつお節は、ダシに使うかそのまま食べるかなど、用途によって種類や削り方もさまざま。

茨木市にあり公設市場で鰹節や昆布、佃煮などを販売する「山崎屋昆布店」は、今年で61年目。店で削るかつお節は料理によって削り方も異なるといい、「作る料理に合わせるので聞いてください」と店主の土肥さん。子どもも気軽に食べられるようにと、かつおや昆布のクッキーも考案している。

薫々堂の「夢苺」300円。カステラの上に生クリームと程よい甘さが絶品のイチゴをのせて、ふわふわの羽二重餅で包む。11月下旬~5月上旬まで販売。

箕面市の老舗和菓子店「薫々堂(くんくんどう)」では、窯で小豆から炊き出す自家製餡を使用する。月に2・3回、色どりも餡もすべて変えるという生菓子は、「常連さんに気づかれちゃうんでね」とテレビや雑誌で日々研究するのだとか。

ニューアストリアの「カツサンド」700円。かつて高島屋のサンドイッチバーに勤めていたオーナーが編み出した。万博記念公園でピクニックをするのにテイクアウトする人も。※テイクアウトは野菜抜き650円。

千里中央のせんちゅうパルにある「ニューアストリア」は、1970(昭和45)年大阪万博名の年に創業。名物カツサンドを求める客が3代に渡って通う、まさに”千里のレジェンド喫茶“。ボリューム満点ながら女性にも人気で、次の世代にも愛されることは間違いない。

ここで挙げたのは、まだほんの一部。北摂の歴史・文化をまとめたムック本「北摂まち本」では、老舗グルメ店のほか、最近話題のクラフトビール、ベテランから若手まで活躍する農業、おしゃれな手土産など幅広く紹介している。

読むほどに味わい深い、北摂の歴史・文化を取りまとめた一冊を手に、食欲の秋を楽しんでみよう。

 

<北摂まち本>
定価:990円 ページ数:224ページ
販売:北摂、神戸、京都の書店・北摂地域のコンビニ、スーパー。

City Life Shopでも販売中

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