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摂津市出身 現役Bリーグ選手によるバスケットボールの普及活動

2021.10.21

現役Bリーグ選手の今野翔太さん(36歳/西宮ストークス所属)。2007-08シーズンのプロデビュー以降、15年にわたって活躍を続けている。また、Central W株式会社の代表でもあり、バスケットボールの普及活動も行っている。選手と社長業を両立させ、多忙な日々を送る今野さん。バスケットボールにかける熱い想いを取材をした。(メイン写真:NISHINOMIYA STORKS)

 

ポジションはシューティングガード/スモールフォワード。2012-13シーズンには、日本人1試合最多得点歴代2位となる36得点をマークするなど、充実した選手生活を送っている。しかし、観客数の少なさ、Bリーグの認知度の低さも肌で感じていたという。「サッカーや野球は近所にグラウンドがあって、行けばすぐに遊べる。でも、バスケットボールは体育館を予約しないと遊べない。他のスポーツに比べたら、まだまだ根付いていないなと感じた瞬間がありました」。そんな現状を少しでも改善するため、プレー以外でも何かできることはないか、常に考えていたという。

「もっと気軽にプレーできる環境を整えていくことが、認知度アップにつながるのでは」と、2019年9月にCentral W株式会社を立ち上げ、コートの開設や運営管理、スクール運営をスタートさせた。

 

Central W株式会社のWEB

 

今年の6月から幼稚園や保育園に訪問し、ゴールの寄贈も始めたという。「ボールのプレゼントはよくあるんですが、結局ゴールがないから遊べないという声を聞きました。だったらゴールにしようということで、ゴールを寄贈しています」。ゴールがあればちょっとしたゲームもできるので、楽しさを知ってもらうにもちょうどいい。なかでもシュートを決めた際に見せる子どもたちの笑顔がとても印象に残っているという。「小さいときの成功体験ってすごく大事なんです。この経験を通じてバスケに興味をもってもらえたら嬉しいですし、自分のモチベーションにもつながります」とにこやかに話す今野さん。

 

また幼稚園や保育園だけでなく、介護施設にも訪問している。「色んな方にバスケを知ってもらいたい。お声がけいただければどこでも行きますよ」と今野さん9/20(月)には摂津市のデイサービス「ツクイ摂津別府」にゴールを寄贈することとなり、贈呈式が開かれた。

 

緊急事態宣言下での開催だったため、リモートでの参加となった。

 

会場は今野さんを迎えるための装飾やうちわが用意されていて歓迎ムード。職員がシュートパフォーマンスを見せたり、利用者からは「彼女はいるんですか?」など茶目っ気のある質問も飛び、大盛り上がり。「おばあちゃん子なので、できれば参加して皆さんとお話したかった。リモートでも喜んでもらえて良かった」と嬉しそうに話す。贈呈されたゴールは利用者の機能訓練に活用されるという。

 

ゴールの贈呈以外にも、SPIRIT ACADEMYというキッズスクールの運営も行っている。現役でありながらこういった活動するのには強いこだわりがあるという。「現役だからこそ一つひとつの言葉に説得力があり、響くものがあると思うんです。子どもたちも現役の選手が来るってなると喜んでくれますしね」。

また、引退後のロールモデルになりたいとも話す。「スポーツ選手のセカンドキャリアって難しいんです。僕がこういう活動をすることで、『そんな選択肢もあるんだ』って考えるきっかけになれば嬉しいですね」。

NISHINOMIYA STORKS

 

スポーツ界では36歳はベテランの域。「同期で現役の選手は少なくなってきましたが、試合に出続けられる限り続けたいですね。49歳が最高齢なので50歳を目標に頑張りたい」と話してくれた。

今野翔太さん
摂津市出身 1985年 3/29生まれ 36歳
大学卒業後の2007-08シーズン、大阪エヴェッサにドラフト外で入団。2017-2018シーズンには個人通算500試合を達成。2020-21シーズンより12年在籍した大阪エヴェッサから西宮ストークスへ移籍
ポジションはシューティングガード/スモールフォワード。

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