北摂のレトロ銭湯めぐり
2021.10.12
広い湯船や自慢のサウナなど、癒しとともに、地域の交流の場としての役割も果たす、まちの銭湯。近年は店主の世代交代が進み、若き店主達による、積極的な銭湯文化発信の動きも注目を集めている。北摂にもそんな個性的な銭湯が残っている。
銭湯文化普及に努める 初心者にも優しい銭湯
阪急石橋阪大前駅西口を出て徒歩約2分。石橋商店街にある平和温泉は1963年創業。2020年に、改修を終えた浴室と脱衣所は、昔からのマジョリカタイルはそのままに、清潔感ある脱衣所や水圧の高いシャワーなど、現代の快適な空間に。土地柄、学生など一見も多いため、お風呂の温度は熱過ぎず、水風呂の温度も少し高めに設定するなど、銭湯ビギナーにはうれしい店主・中野さんの心配りも。
8年前に会社を辞め家業を継いだ現店主の中野洋介さん。年々減少する銭湯を取り巻く状況に危機感を覚え、銭湯文化発信のため、SNSを積極的に利用。また、銭湯を活用したさまざまなイベントも開催した。脱衣場を利用した落語会や、浴場をステージにしたクラシックコンサートなど、これまでにない試みは、SNSでも話題になっている。
お目当てはたこ焼きと界隈最強の水風呂
豊中市曽根町にある、外観の巨大なタコの壁画が目印のたこ湯。創業は昭和初期で、もともとは有田温泉という名で営業をしていたが、阪神・淡路大震災による倒壊をきっかけにリニューアル。以前より銭湯の隣で屋台のたこ焼き店も営業していたことから、現在の店名に変更された。風呂上がりにたこ焼きをつまみながら客同士が談笑する光景は、たこ湯の名物だ。
さらに、もう一つの名物が12℃に設定された、恐ろしく冷たい水風呂。その冷たさは北摂のなかでも随一で、噂を聞きつけたスポーツ選手も、治療目的のアイシングで訪れるほど。遠赤外線サウナとセットで利用すれば、〝整う〞までの時間はアッという間だ。
開放感あふれる浴室で塩風呂とサウナを満喫
阪急石橋阪大前駅近くの住宅街にある、2階建ての開放感あふれる空間が魅力の共栄温泉。明るい時間帯には壁際一面の窓からたっぷりと陽光が降り注ぐ。
毎日バケツいっぱいの粗挽き天然塩を、たっぷり入れて沸かす、名物の塩風呂は、とろみのある肌触りで、まるで天然温泉のような湯質。発汗作用も抜群ゆえ、短時間の入浴で、こまめに休憩を挟み、繰り返し浸かれば、リフレッシュ効果も抜群。ちなみに、2020年10月に公開された映画「ひとくず」のロケ地としても利用されているので、作品を鑑賞してから、訪れてみるのも面白い。
入浴中も湯上りも強めの刺激が心地良し
現在、3代目のご夫婦が営む、池田市城南にある城南温泉は2006年にリニューアル。「うちの特長は刺激にこだわっているところかな」とご主人。一見何の変哲もない電気風呂は、大阪府内でもめったにお目にかかれない電気マッサージ風呂をリニューアル時に導入。定期的に押す、揉む、叩くを繰り返す。
さらに100℃の高温サウナと16℃の水風呂も、お客の要望に応えていくうちに刺激的な設定に。風呂上がりのお楽しみである生ビールも、キンキンに凍らせたグラスで提供してくれるなど、湯上りにもうれしい〝刺激〞が。
壁面のレトロな絵、ケロリンの桶、刺激的な電気風呂・・・いつもと違う銭湯スタイルを楽しんでみては。レトロ銭湯の詳しい情報は、書店・コンビニ・スーパーで発売中の北摂まち本にて紹介している。他にも食や芸術など、1冊で北摂の歴史・文化を深く知ることができる。
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<北摂まち本>
定価:990円
ページ数:224P
販売:北摂、一部関西の書店・北摂のコンビニ、スーパー
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