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名画にさわれる?!音でスポーツ観戦?!仏像にハグ?!国立民族学博物館『さわる!〝触〟の大博覧会』その①

2021.11.22

現在国立民族学博物館で開催中の特別展「ユニバーサル・ミュージアム-さわる!〝触〟の大博覧会」。

通常美術館や博物館と言えば“展示物には触ってはいけない”というルールのもと見学することがほとんどですが、何とテーマが“触る”、しかも大博覧会?!

一体どんな展示があるのか、行ってきました~。

人間に備わっている、外界を感知するための感覚=視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のいわゆる五感。

その中でも五感情報取得の割合は視覚が80%以上と言われています。

因みに触覚は1.5%程度だそう。

コロナ禍において接触機会もすっかり減った今、何だかとっても鈍っていそうな触覚を研ぎ澄ませるために、色んなモノに触れたいと思います!

 

会場に入って早速目に飛び込んできたのは国宝「興福寺仏頭」。

被災と再建の歴史の中、頭部のみとなった「白鳳の貴公子」に大阪で会えるとはーーー。

ひんやりと、けど滑らかな触り心地、そして慈愛に満ちた表情が…尊い!

入館していきなり大興奮です^^

暗闇に入り足を進めると、またまた有名な「耳なし芳一」。

“そういえば耳なし芳一を触るなんていう経験は初めてかも”なんて思いながら、先ずは象徴的な耳部分を触り、目をなぞり、握手をして…「ひゃーーーーーっ!!!」

木彫りの芳一さんだと思っていたら、手だけが人の感触でめちゃくちゃびっくりしてしまいました。

それもそのはず、

右手だけ別素材でできているようです。

できるだけ先入観を持たずまずは自分の感覚で触れていきたくて、ガイドを読んでいなかったので本当に驚きました。

「耳なし芳一」は展示構成の中でもまだ導入の企画なのですが、いきなり自分の視覚に裏切られました!

目で認識した情報との差異も楽しめそうです。ワクワク…

 

全国の色んな箇所から集められた石たち。

ツルツルだったりザラザラだったり、カタチも様々。

海外からやってきた石もあり、“ほー。きっと目的別で選ばれた石なんだろうなー”と思いながらすべすべの石を触っていたその時。

前にいた小学生高学年くらいのお子さんの“わー。この石のカタチ最高。どれが一番かなぁ。このハートめっちゃキレイー。お父さんに見せたいなぁ”という純粋コメント。

ずっきゅんです。

一瞬にして、毎日帰り道に河原に下りて完璧な水切り用の石を探していた小3時代を思い出しました。

多分企画の意図とは外れていそうですが、触ることで追憶体感まですることができました。

そういえば我が子も幼児期には綺麗な石を集めることにはまっていたなぁ。

石には大いなる魅力があるのですね^^

 

 

こちらはセクション3にある「触覚によるかたちの合成、線の表現」の中の「かたちの合成from両手」というもの。

右手と左手のそれぞれで、形状の異なる立体を同時に触り、頭の中で一つに「合成する」作品。

これまたガイドを読む前に作品の前に立ったので、偶然隣にいらっしゃったご高齢の男性と謎の中身当てっこ大会が始まりました。

男性は“あかん、思った形と全然違うわ。感覚が衰えてきてるわー”と嘆いてらっしゃいましたが、私もまあまあ間違っていました…

普段は目的をもって目視したものを手に取る、というのが当たり前の流れなので、“わからないモノ”を触るのはとても新鮮な感覚でした。

レポートは後編へ続きます。

 

〈『さわる!〝触〟の大博覧会』概要〉

■開催期間:~ 11月30日(火)

■会場:国立民族学博物館 特別展示館

■開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

■休館日:水曜日

■観覧料:一般880円(600円)、大学生450円(250円)、高校生以下無料

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止または内容を一部変更する場合がございますのであらかじめご了承ください。

 

詳しくは国立民族学博物館ホームページを。

 

編集部 井上

 

 

 

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。