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俳句コーナーVOL.27 2021年12月入選作品を紹介!

2021.11.30

10月25日締切りでご投句いただいた中から、
山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

饒舌な石榴ひとつを割ってみる

豊中市 小倉 佳子
「饒舌な石榴」とは、どのような石榴でしょうか。いろいろと想像してみるのも面白い。かなり果肉が見えて重く垂れさがっている石榴を描きました。それも、たくさんの石榴。割るとどんな話が聞こえてくるのでしょう。

 

【 入 選 】

百才を歩いてみたしたでの花

高槻市 堀田 年子
このような憧れをもってみたいです。ぜひ、百歳を蓼の花で詠ってください。

いわしぐも犬を手術へ送り出し

箕面市 高橋 真美
家族の一員として同じ気持ちで犬を送り出す。その気持ちを鰯雲に託します。

カップ麺マンガで蓋す文化の日

豊中市 田村 由紀子
このような内容は季語がすべて。「文化の日」で俳句として立ち上がりました。

蔓たぐりあれよあれよと土浮かせ

豊中市 上杉 千代子
「蔓たぐり」が季語。「あれよあれよ」が実感として伝わってきます。

箍ゆるみ止まる事なく木の葉雨

西宮市 宮部 志津枝
木の葉が雨のように散っている。そこに箍が緩んでいる樽。よい景色です。

 

【 佳 作 】

刷りたての朝刊匂ふ冬至かな

吹田市 小澤 桔梗

蛇笏の忌渓流の岩踏み進む

豊中市 上杉 千代子

月明り足で弄る靴の底

池田市 山内 留美子

曼珠沙華長寿の村となりにけり

吹田市 秋山 寛

身に余るもの捨てさりぬ秋の暮

吹田市 森戸 秀次

 ◆ つぶやき評 ◆ 
寒くなってきましたが、次第に世の中も落ち着いてきましたので、吟行をすすめます。自然の中に身を置いて俳句を作るということが、実作者にとってたいへん大事なことだと思っています。時間を見つけて出かけてください。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。
2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。
2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。
2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】
氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】
〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23
株式会社シティライフNEW 俳句係まで
FAX 06-6368-3505
https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】
※締め切りは毎月25日必着
※いずれも一人5句まで
※掲載は次々号となります
※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。
※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

シリーズ自句自解Ⅱベスト100 山口昭男定価1500円+税 版元 ふらんす堂

既刊句集より100句抄出して著者みずからが解釈を付したもの。一句が出来上がるまでの作家の推敲のあとをたどることができ、実作者の句作りにおおいに役立つ入門書である。(Amazonなどで販売中)

 

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