キャンパスの外もキャンパスだった「ありがとう」から始まる物語

代表の斉藤さん。自身の店である『みつか坊主』の
2階では学生が主役のイベントも開催している。
学生街に住む学生とその地域の人々とが、ありがとうで繋がるプラットホーム『ガクセイガイ』が来春から開始する。4〜5年前からその仕組みの構想を温めていたのは、蛍池で味噌ラーメン専門店『みつか坊主』を営む斉藤光典さんだ。『ガクセイガイ』を通して、どんな展開を考えているのか取材した。
大学のある街を元気にしたい
「庭の草刈りをしてほしい」「少しの時間、子ども達と遊んでくれる人はいないかな」「1日だけお店を手伝ってもらえたら助かる」。街にあふれるそんなお困りごとをどうにか解決できないか、と考えていた斉藤さん。地域貢献に力を入れ、あちこちで人の手助けをしている斎藤さんのもとには、様々な相談の声が集まるという。
そんな中、自身が営むラーメン店に集う大学生たちと話していると、せっかく学生街で生活をしているのに、学生たちが学校以外の世界をあまり知らないことに気づいたという。そこで、若いチカラを借りたい地域の人々と、街を知って地域の人々とのコミュニケーションを楽しみたい学生を繋ぐことができればお互いにメリットがあるのでは、と考えついたのがローカルプラットホーム『ガクセイガイ』である。
街の困りごとと、手伝ってくれる学生を『ガクセイガイ』のwebアプリを通してマッチングをして、手伝った分が“ありがとうポイント”として貯まる。貯まったポイントは近くの店舗で使用できるという仕組みだ。
斉藤さんは「労働で賃金を得るという感覚ではなく、お手伝いで“ありがとう”と言ってもらえるストーリーにこだわりたかったんです。『ガクセイガイ』のメインコンセプトは、学生が地域の人々とコミュニケーションを取ること。“ありがとう”の言葉は双方の距離を縮めて、その先の会話が生まれます。そうやって少しずつ深い関係を築いてもらえたら」と語る。
学生は“ありがとうポイント”を近くの店舗で使用できることで、個人店のおもしろさを知るきっかけになる。行動範囲が広がれば顔見知りが増え、街の情報が行き来して防犯にも繋がっていく。店舗側は学生と交流することで、次世代へ想いを繋げていくことができる。街を活性化していく流れができるのも『ガクセイガイ』の醍醐味だ。15年間ラーメン店を経営してきた斉藤さんは、店でバイトをしていた学生達と卒業後も交流があり、今では共に『ガクセイガイ』のチームを組んでいる。斉藤さん自身が学生の成長していく様子を見てきたので「学生さんは興味があることにどんどんチャレンジして、この学生街でいっぱい思い出を作ってほしい」と話す。
『ガクセイガイ』は、令和元年に「豊中市中小企業チャレンジ事業補助金」で採択された。「株式会社ガクセイガイ」を設立し、2022年4月から事業としてスタートする。現在は試用期間で、大阪大学から半径3km以内(蛍池・豊中・岡町・柴原・少路・石橋阪大前・池田・箕面の各駅周辺)での登録店舗を募集中。登録の方法、ポイント換金の仕組みなどの詳細はwebサイトで確認できる。

記事内の情報は取材当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。
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