-摂津市- 「旅するならどっち?」JR千里丘駅に“上りたくなる”階段
2022.02.01
仕掛けの前で「これをきっかけに『10歳若返り』
に関心をもってもらえたら」と話す府政策企画部の
中本さん(左)と大阪大学大学院の平井准教授
JR千里丘駅(摂津市)東口の階段に2ヵ月限定で「上りたくなる」仕掛けが施されている。大阪府が進める「10歳若返り」プロジェクトの一環で、駅利用者に階段の利用を促し、日常生活の中で健康になるためのきっかけを作ることが狙い。JR西日本、大阪大学人間科学部、摂津市が協力し、摂津市内で平均乗降客が最も多い同駅で階段利用者が増加するかを検証中だ。
行動経済学を活用した「上りたくなる」仕掛け
階段を上りたくなる仕掛けとして、同駅を起点に西ルートと東ルートを想定。階段に「旅するならどっち?」と記したシートを貼り付け、「西ルート」と「東ルート」を色分けして設置した。
階段を上ると、人流センサーが西と東の階段利用者をそれぞれ感知する。各ルートの利用人数に応じて、距離が累計され、西ルートはJR鹿児島中央駅、東ルートはJR青森駅まで到達する仕組み。累計距離と現在の駅名はモニターに表示される。
仕掛けは健康心理学が専門の大阪大学大学院・平井啓准教授(人間科学部)の監修。「『階段の利用が健康によい』というだけでは続かないが、『階段を上る』という日々の努力が距離として反映されることで継続して取り組みやすくなる。今日はどの駅まで進んだかな、とゲーム感覚で楽しんでもらえたら」と話す。
階段を上った所に設置されているモニター。累計距離に応じて表示される駅名が変わる。画像は1月11日時点のもの。
実験の結果は?
平井准教授によると、12月27日時点で、仕掛け設置前と比較して階段利用者が1日平均100人増加。総消費カロリーは32,103.8キロカロリー(1人あたり階段1段につき0.1キロカロリー消費と設定)、削減できる医療費は43,489円になったという。
累計距離は、西ルートが55.1キロメートル、東ルートが21.9キロメートルとなり、駅の改札口により近い西ルートを選んだ階段利用者が多かったものとみられる。
仕掛けの設置は1月31日まで。最終結果は、府のウェブサイト等で公表する予定。府政策企画部の中本真太郎さんは「今回得られた事業結果をもとに、今後、市町村などでもこういった取り組みをしてもらえるよういろんな形で情報発信していきたい」と話している。
「10歳若返り」プロジェクトのウェブサイト
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