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俳句コーナーVOL.30 入選作品を紹介!

2022.03.03

1月25日締切りでご投句いただいた中から、

山口昭男先生に入選作品を選んでいただきました。

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【 優秀賞 】

初蝶の花時計より飛び立ちぬ

吹田市 小澤  桔梗

蝶が花時計より飛び立った瞬間。この瞬時を俳句の言葉にしたというところが、手柄です。詩の言葉にはスピードが必要です。鮮度が大切です。蝶を初蝶とみとったことも大きな手柄となりました。

 

【 入 選 】

御降りや音なき街をつつむ音

西宮市 宮部 志津枝

季語は「御降り」。元日に降る雨や雪のこと。音が秀逸です。

色どめの水かぐはしき冬林檎

豊中市 暖井 むゆき

「かぐはしき」がよいです。季語「冬林檎」が生かされているからです。

寒暁の街が朝日を絞り出す

箕面市 高橋  真美

「絞り出す」という言葉に心魅かれます。季語「寒暁」を新しくしました。

煩脳の捨て所なく大根炊く

茨木市 廣田  静子

大根を炊くという静かな季語で煩悩という大仰な言葉が落ち着きました。

ナナハンを磨く男や石蕗の花

吹田市 堀田 恵美子

先月はこの内容で「日脚伸ぶ」。「石蕗の花」の方が景がくっきりとします。

 

【 佳 作 】

落椿メメント・モリとつぶやきぬ

豊中市 小倉  佳子

禅寺の一汁一菜山眠る

吹田市 秋山   寛

水玉のバルーンスカート春の風

高槻市 青木  幹子

ぺしゃんこに踏まる空き缶道凍つる

箕面市 清水 寿惠子

笑ひ合ふ中学生や春立ちぬ

西宮市 宮部 志津枝

 ◆ つぶやき評 ◆ 

投句の際のぎりぎりまで推敲してほしいことがあります。季語はこれでよいか。「てにをは」は適切か。報告的、説明的な内容になっていないかなどです。俳句は一文字でがらっとかわります。そこが魅力でもあるのですが。

 

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〈 選 者 〉 山口 昭男(やまぐち あきお)

1955年 神戸市生まれ。1980年「青」に入会。波多野爽波に師事。

2000年「ゆう」入会。田中裕明に師事。編集担当。

2010年俳誌「秋草」を創刊し主宰する。毎月発行。句集に『書信』『讀本』『木簡』がある。

2018年句集『木簡』で読売文学賞受賞。日本文藝家協会会員。

 

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【 俳句の応募方法 】

氏名・住所・年齢・明記のうえ、ハガキ、封書、FAX、下記の応募フォームのいずれかからご応募ください。

【 宛 先 】

〒566-0001 大阪府摂津市千里丘1-13-23

株式会社シティライフNEW 俳句係まで

FAX 06-6368-3505

https://pro.form-mailer.jp/fms/f413b102177160

【 応募フォーム 】

※締め切りは毎月25日必着

※いずれも一人5句まで

※掲載は次々号となります

※佳作は掲載をもって発表とさせていただきます。

※お名前と作品を掲載します。

 

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山口昭男先生の最新巻の紹介

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